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ソン・フンミン優勝で兵役免除?韓国の兵役ってどういう法律なの?

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 現在26歳のソン・フンミン選手にとっては、今回のアジア大会サッカーで優勝することが兵役免除の「ラストチャンス」となっています。

もし韓国が優勝を逃せば兵役義務として「約2年間の帰国」を強いられるため、現在、主力として活躍する「トッテナム(トットナム)」での試合出場は不可能になります。

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■韓国の兵役免除の仕組みって?

韓国の法律では、28歳までに全員が「21か月」の兵役する必要があります。韓国で何十年も前から続くこの規定は、極めて神聖なものと受け止められています。

しかしこの法律は、国際舞台でトップの成績を収めた選手に対して義務の軽減が認められています。

サッカー選手に関しては、

  • オリンピックでの金銀銅いずれかのメダル
  • アジア大会での金メダル

を獲得することが「兵役免除」の条件となっているのです。

■アジア大会優勝で兵役免除?

もしアジア大会で韓国が優勝し金メダル獲得となれば、ソン・フンミン選手の奉仕義務は、「1カ月間の基本的軍事訓練と34カ月で544時間の社会奉仕活動だけ」で済むことになります。

これは、ほぼ2年間を軍事基地で過ごすことに比べれば、はるかに容易なことです。

しかし、もし準優勝(銀メダル)では、兵役免除となりません…。

■ソン・フンミンが注目されている理由

ソン・フンミンはイギリスのサッカーリーグ「プレミアリーグ」の人気チーム「トッテナム(トットナム)」の主力選手で、2年連続2桁得点を挙げています。

もし今回のアジア大会で韓国が優勝できなかった場合、ソン・フンミン選手は兵役義務のため約2年間、試合出場ができません。

そのためトッテナムは兵役義務軽減の可能性を期待して、ソン・フンミン選手のアジア大会出場を許可しているのです。

■イギリスも注目

ソン・フンミンの兵役免除の行方について、イギリスメディアの注目度も高くなっています。

『スカイ・スポーツ』は韓国のアジア大会での決勝進出を伝えつつ「もし決勝で敗れればソン・フンミンのプレミアリーグでのキャリアは深刻な中断を強いられる」と伝えています。

『ガーディアン』は「韓国の決勝進出によってソン・フンミンの兵役免除に希望」と見出しを打って特集。
韓国の法律で28歳までに全員が21か月の兵役する必要があり、7月に26歳になったソン・フンミンはこれ以上、兵役開始を延ばせない状況であると紹介。その上で五輪メダルと同様にアジア大会で金メダルを獲得すれば、免除されることも合わせて伝えています。

■ソン選手の代わりに私が兵役に行く!との声も…

韓国大統領府のホームページには、この件で国民から800件を超える請願が寄せられているそうです。

その大半は兵役免除を求めるものであり、ソン選手の代わりに兵役義務を果たしたいとの申し出も何件かあったそうです。

なかには「ソン・フンミン選手の代わりに、私が4年間兵役を務める」という請願もあったそうです。

■過去の韓国サッカー選手の徴兵免除の事例

サッカー選手に関しては、

  • オリンピックでの金銀銅いずれかのメダル
  • アジア大会での金メダル

を獲得することが「兵役免除」の条件となっているのですが、過去に徴兵免除を受けたサッカー選手は…

● 2012年ロンドン五輪 銅メダル獲得

ク・ジャチョル、チ・ドンウォン(以上アウグスブルク)、パク・チュヨン(元アーセナル、FCソウル)

● 2014年仁川アジア競技大会 金メダル獲得

チャン・ヒョンス(元FC東京、現北京)

などです。

ちなみに「2002年日韓W杯」の韓国代表は4位に終わり、3位以内は逃しましたが、国民の絶対的支持や史上初の快挙ということが重なり大統領令として兵役の義務からの免除という特恵を受けています。

韓国サッカースター選手、兵役免除はアジア大会次第

 【ソウル】韓国のサッカーのスター選手である孫興民(ソン・フンミン)氏にとって、9月1日に行われるアジア大会での日本との決勝戦は、国家のプライドよりはるかに大きなものを懸けた戦いだ。

 もし韓国が敗れれば、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーのフォワードであるソン選手(26)は、スパイクシューズをしまって、銃の扱いに慣れなければならい。つまり、韓国軍でのほぼ2年間に及ぶ兵役義務を果たすことを求められるのだ。 

しかし、韓国が勝てば、ソン選手は金メダルと宿敵を打ち負かした満足感だけでなく、兵役義務の大半の免除をも手にして、アスリートとしての絶頂期を謳歌(おうか)することができる。

 韓国では、健康な男子は30歳前に21カ月間兵役を務めることが、法律で定められている。厳密に言えば依然として北朝鮮と戦争状態にある韓国では、何十年も前から続くこの規定は、極めて神聖なものと受け止められている。ソン選手は海外在住なので、兵役を27歳以降に先送りすることはできない。

 しかしこの法律は、国際舞台でトップの成績を収めた選手に対して、こうした義務の軽減を認めている。サッカー選手に関しては、オリンピックでの金銀銅いずれかのメダル、アジア大会での金メダルを獲得することが、兵役免除の条件となる。

 もし1日のジャカルタでの対戦で韓国が日本を破れば、ソン選手の奉仕義務は、1カ月間の基本的軍事訓練と、34カ月で544時間の社会奉仕活動だけで済むことになる。これは、ほぼ2年間を軍事基地で過ごすことに比べれば、はるかに容易なことだろう。

 トッテナムの事情に詳しい関係者によれば、同チームは、兵役義務軽減の可能性を念頭に喜んでソン選手にアジア大会でプレーする機会を与えたという。

 韓国国内外のサッカーファンは、ソン選手の徴兵条件の行方を、固唾(かたず)をのんで見守っている。韓国大統領府のホームページには、この件で国民から800件を超える請願が寄せられている。その大半は、兵役免除を求めるものであり、ソン選手の代わりに兵役義務を果たしたいとの申し出も何件かあった。

 「ソン・フンミン選手の代わりに、私が4年間兵役を務める」という請願もあった。

 韓国では、兵役が厄介な問題になっている。これまでに多数の芸能人、スポーツ選手および政治家が、兵役逃れを試みたとされる行動を受けて、面目を失っている。

 2012年に「江南スタイル」を大ヒットさせたことで知られる歌手のPsy(サイ)氏は、服務期間中にコンサートを行ったことが判明して批判を浴びた(その後、2度目の兵役を全うすることで名誉を回復した)。

 イングランド・プレミアリーグのアーセナルの元ストライカー、朴主永(パク・チュヨン)氏は12年、抜け穴を使って兵役を10年間遅らせようとしたことが判明し、韓国代表チームから外されたも同然になった。その後、最終的に代表入りし、同年のロンドン五輪でチームの銅メダル獲得に貢献したため、兵役を免除された。

 折しも、韓国では、徴兵制度を見つめ直す機運が高まっている。韓国国防省は先月、兵役期間を10月以降、最短18カ月に短縮することを明らかにした。これは、軍の規模を縮小しながらも戦闘力を強化する取り組みの一環だ。

 アジア大会のサッカー準決勝で韓国がベトナムを下した翌日の30日には、最高裁判所が良心的兵役拒否の正当性に関する公聴会を開いた。良心的兵役拒否とは、宗教やその他の個人の信条を理由に兵役義務の遂行を拒否することだ。人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルによると、韓国で良心的兵役拒否を理由に収監されている人の数は、外国で同じ理由で収監されている人の合計数を上回っている。

 ソン選手は、12年と14年にスポーツ選手として兵役免除の資格を得るチャンスを逃している。韓国代表に選出されなかったからだ。

 29日のアジア大会準決勝では、ベトナムチームの勝利を願うベトナムのファンが、ソン選手の軍服姿の合成写真を掲げていた。そこには「ソン・フンミン、韓国軍に入隊」と書かれていた。試合は韓国が3-1で勝利した。

 ソン選手は、兵役の話題について、固く口を閉ざしている。だが、今年のワールドカップ(W杯)の際には、試合への意気込みについて、「戦争に行くような気持ちだ」と語っていた。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

【まとめ】ソン・フンミン優勝で兵役免除?韓国の兵役ってどういう法律なの?

法律とはいえ、サッカー選手として選手生命のピークを迎える時期である「28歳」までに約2年の兵役義務というのは、とても厳しいものと感じます。

その特例として、

  • オリンピックでの金銀銅いずれかのメダル
  • アジア大会での金メダル

というのは、選手にとって日本人には想像もつかないようなモチベーションになるでしょうし、それこそ人生を懸けた戦いになるでしょう。

特に、今回のアジア大会の決勝(2018年9月1日)の対戦相手は宿敵の日本です。大注目の一戦となること間違いなしです。

 

 

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