米中の貿易戦争の影響で、今後アメリカの景気が減速し、利上げペース鈍化の可能性が浮上してきました。
今後のトランプ大統領の政策、株、ドル円相場にも大きな影響がありそうです…。
米中の貿易戦争の影響で景気減速し利上げペース鈍化の可能性が浮上
米中の関税引き上げ「報復合戦」は、物価上昇圧力となるが米中貿易取引の委縮、世界貿易縮減となって米トランプ景気に減速を強いる。
すでに、米3月ISM製造業景況感指数が前月比1.5pt低下の59.3に悪化、市場予想も下回って米景気に減速の跫音が忍び寄りつつある。ISM製造業指数は景気判断の分水嶺「50」を依然として上回っているが、米景気の強さのシンボルだっただけに3月分の悪化は景気先行き不透明感を強める結果となりました…。
貿易戦争により、企業マインドを冷やしつつ米景気減速が忍び寄りつつあり、18年3回とされる米FRBの利上げシナリオが6月と中間選挙後12月の2回へと利上げペースが鈍化しそう。との可能性が浮上しています。
貿易戦争で米利上げペース「鈍化論」
「米中貿易摩擦トランプ劇場に観衆が釘付けとなり企業マインドを冷やしつつ米景気に減速の跫音が忍び寄りつつあり、18年3回とされる米FRBの利上げシナリオが6月と中間選挙後12月の2回へと利上げペースが鈍化しそうだ」―。元UST高官の在NY金融筋がこう打ち明ける。
パウエルFRB議長の初舞台となった6日シカゴ講演後の質疑応答で米中貿易摩擦について問われ、「企業経営者らは中期的な観点でややリスクと捉えている」と答えた。
パウエル議長は「(金融政策は)段階的な利上げが最善」と従来主張を繰り返し、実際、米経済の先行きは、「財政刺激策と緩和的な金融環境が、家計支出と企業投資を後押しする」(パウエル議長)と景気拡大の継続見通しが支配的だ。
たが、「保守強硬派がトランプ大統領を囲み、ホワイトハウスが中間選挙を睨んでかつてない保護主義的な通商政策がFRBに利上げシナリオの修正圧力となって圧し掛かりつつある」(同NY金融筋)というのだ。
しかも、1960年代以来で初めて失業率が4%を下回ると予測される中にあって物価上昇率が1.8%にとどまり目標の2%以下で安定していることも利上げペース鈍化への言外の圧力となっている。
労働市場の逼迫にも賃金上昇率が伸び悩でいる以上、かつてない「保護主義」の嵐が吹き荒れて景気に下押し圧力を加えている以上、金融正常化利上げを急ぐ必要がないというのだ。何より、米中関税引き上げ「報復合戦」は、物価上昇圧力となるが米中貿易取引の委縮、世界貿易縮減となって米景気に減速を強いる。すでに、米3月ISM製造業景況感指数が前月比1.5pt低下の59.3に悪化、市場予想も下回って米景気に減速の跫音が忍び寄りつつある。ISM製造業指数は景気判断の分水嶺「50」を依然として上回っているが、米景気の強さのシンボルだっただけに3月分の悪化は景気先行き不透明感を強める結果となった。
折しも、トランプ大統領の鉄鋼・アルミ輸入制限等の対中強硬姿勢は3月から口火が切られた。中国が対抗措置に踏み切るなど米中貿易摩擦の激化が、すでに米ISMや米PMIの鈍化となって米中両国経済への重荷となりつつある。
一方、米景気先行き不透明感の台頭に2月末に0.61%程度だった米2年債と10年債利回り差が3月に入り0.48%程度へと縮小していた点も米景気の減速懸念に棹さしている。
30年振り大型減税にも拘わらず潜在成長率の伸び悩みに長期的な成長展望が描けないのである。そこにトランプ政権の主要閣僚交代ドミノが起こり、米中貿易摩擦の激化に象徴される対外強硬派の台頭が米中景気に重荷となって圧し掛かる。
さらに、米3月FOMCの米経済と政策金利長期見通し「Longer-Run」(ロンガーラン)の3%への引き上げ予想が外れ、FOMCメンバー予想が2.750-2.875%に収斂したことも長期金利低下を促した。大型減税にも拘わらず実質GDP成長率の長期的見通しも1.8%に据え置かれ、米国の潜在成長率上昇の遅延が示唆されたのだ。
むろん、潜在成長率が高まらなければ「Longer-Run」の3%超への上方修正も叶わない。「Longer-Run」中央値は公表され始めた12年の4%台から低下を続け、その要因としてフィッシャー前FRB副議長は16年10月講演で「潜在成長率の低下」を挙げた。3月FOMC「ドットチャート」こそ19年と20年利上げ回数見通し引き上げで「タカ派」ニュアンスを醸した。
だが、2月下旬に約4年ぶりに2.95%と3%に迫った米長期金利が3月FOMCの翌22日にほぼ3週ぶり低水準に沈んだ。つまり、潜在成長率が上昇しない限り、減税をもってしても金融「正常化」利上げを急ぐ必要はないとのインプリケーションというのだ。
出典:FXニュースレター
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