来週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控え、米国と欧州の同盟諸国の当局者らは、NATO加盟29カ国がテロと戦い、ロシアに対抗し、国防支出拡大に向け緊密に協力している姿を示すことで、首脳会議を団結の象徴として演出しようと懸命に準備している。
しかし、トランプ大統領が貿易問題に言及した場合、ドル円、ユーロなどの為替相場に大きな影響があるかもしれません。
■NATO首脳会議の見どころは?ドル円、ユーロ為替相場は今後どうなる?
来週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控え、米国と欧州の同盟諸国の当局者らは、NATO加盟29カ国がテロと戦い、ロシアに対抗し、国防支出拡大に向け緊密に協力している姿を示すことで、首脳会議を団結の象徴として演出しようと懸命に準備している。
しかしドナルド・トランプ米大統領は既に協調ムードに水を差し、会議のハードルを上げている。欧州諸国の首脳らに対し、十分な負担をしていないことを批判する一連の無遠慮な書簡を送ったのだ。
欧州諸国はトランプ大統領の書簡を受け取る前から、NATO首脳会議が先月の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)と同様の結果になるのではと懸念していた。G7サミットではトランプ氏は他国を貿易問題で非難し、その数日後、長年の敵であった北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と友好的に会談した。
■NATO首脳会議開催は7月11日、12日
ブリュッセルでのNATO首脳会議は7月11、12の両日に開かれる。16日にはトランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の会談がヘルシンキで予定されている。プーチン氏はトランプ氏が熱心にかかわろうとしている指導者だが、NATOにとっては主要な敵対相手であり、長年にわたり西側の団結を乱す材料を模索してきた人物でもある。
ある欧州の高官は「トランプ大統領は一貫してNATOを批判してきた。彼はEUが創設されたのは米国を利用するためだったと信じており、NATOがNAFTA(北米自由貿易協定)と同じくらい悪いものだと考えている」と話した。
「NATOが活気に満ちた首脳会議を開いてはいけない理由はない。何が起こるかは本当に分からない」
NATO首脳会議目前、トランプ氏を警戒する欧州勢
来週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控え、米国と欧州の同盟諸国の当局者らは、NATO加盟29カ国がテロと戦い、ロシアに対抗し、国防支出拡大に向け緊密に協力している姿を示すことで、首脳会議を団結の象徴として演出しようと懸命に準備している。
しかしドナルド・トランプ米大統領は既に協調ムードに水を差し、会議のハードルを上げている。欧州諸国の首脳らに対し、十分な負担をしていないことを批判する一連の無遠慮な書簡を送ったのだ。
トランプ大統領は、ノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相宛ての6月19日付の書簡で、「内政面のプレッシャーがあることは理解している」とした上で、「しかし、一部の国は集団安全保障上の分担した責務を果たしておらず、その理由が正当であると米国民に説明することがますます難しくなる」と述べた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が書簡の内容を確認した。
一部欧州諸国の首脳はトランプ大統領の圧力攻勢にいら立ちを示しており、首脳会議の準備段階で対立が生じかねない状況だ。
ベルギーのシャルル・ミシェル首相は「この類いの書簡にはあまり好印象を持てない」と述べている。ベルギーは国内総生産(GDP)比での国防費の規模はNATO加盟国で最小の部類に入るが、将来の国防費拡大を約束している。
欧州諸国はトランプ大統領の書簡を受け取る前から、NATO首脳会議が先月の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)と同様の結果になるのではと懸念していた。G7サミットではトランプ氏は他国を貿易問題で非難し、その数日後、長年の敵であった北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と友好的に会談した。
ブリュッセルでのNATO首脳会議は7月11、12の両日に開かれる。16日にはトランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の会談がヘルシンキで予定されている。プーチン氏はトランプ氏が熱心にかかわろうとしている指導者だが、NATOにとっては主要な敵対相手であり、長年にわたり西側の団結を乱す材料を模索してきた人物でもある。
ある欧州の高官は「トランプ大統領は一貫してNATOを批判してきた。彼はEUが創設されたのは米国を利用するためだったと信じており、NATOがNAFTA(北米自由貿易協定)と同じくらい悪いものだと考えている」と話した。「NATOが活気に満ちた首脳会議を開いてはいけない理由はない。何が起こるかは本当に分からない」
米国が同盟諸国の国防支出に不満を持つのは、今に始まったことではない。NATO加盟国は、ロシアがウクライナ東部とクリミアに軍事介入したことを受け、2014年に英ウェールズで開催した首脳会議で、全加盟国が2024年までにGDPの少なくとも2%を防衛に費やすようにすることを約束した。うち少なくとも20%は兵器と戦力の向上に充てるとした。この数値目標は、資金が軍人の給与のみに使われないようにするために設けられた。
トランプ氏は大統領選挙期間中、国防支出の義務を果たしたNATO加盟国のみを守る可能性を示唆した。その後17年7月のワルシャワ訪問時には、NATOの条約第5条を支持すると述べて同盟国の懸念払拭(ふっしょく)に努めた。第5条は、加盟国が攻撃された際に互いに防衛し合うことを規定している。
ある加盟国の当局者は「NATO首脳会議で結束した力強いメッセージが出る可能性がある。もし会議が分裂すれば、プーチン氏がそこにチャンスを見いだすだろう」と話した。
しかし、トランプ氏は首脳会議を同盟国にさらなる行動を迫る機会とみており、欧州当局者は同氏の書簡は事実上の脅迫だと考えている。加盟国がNATO防衛のために拠出する資金を増やさないのであれば、米国は貢献度を減らすかもしれないという脅しだ。
同盟諸国に圧力をかけているのはトランプ大統領だけではない。ジム・マティス国防長官はNATOの熱心な支持者だが、英国防相宛ての6月12日付の書簡で、英国が防衛プログラムに「完全に資金拠出」しなければ、米国の最も緊密な同盟国としての「特別の関係」が危機に直面する恐れもあると警告した。WSJはこの書簡を確認した。
一部の欧州指導者は、NATO諸国が十分な支出をしていないことを認めた。オランダのマルク・ルッテ首相は先週、トランプ氏から書簡を送られたかどうか確かでないと述べながらも、オランダが支出を増やす必要があるとの考えに「私は完全に合意する」と語った。
イタリアのジュゼッペ・コンテ首相はトランプ氏から書簡を受け取ったと述べた。ただトランプ氏からの批判をそらすため、欧州の安全保障へのイタリアの貢献度は軍事支出以上のものもあると主張した。同国はイラク警察を訓練したほか、アフガニスタン西部における駐留国際部隊の本部を運営している。1月にはニジェール政府のテロ撲滅作戦に対する軍事支援を承認した。
一方、ドイツ政府はトランプ氏からの一連の書簡にほとんど何も反応しなかった。昨年の軍事支出はGDPの1.22%相当で、通商政策はしばしばトランプ氏から攻撃されている。
【追記】2018年7月12日
■NATO首脳会議でトランプ米大統領とメルケル独首相が対立
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、トランプ米大統領とメルケル独首相が対立。険悪なムードで幕を開けた。
NATO関係者の1人は、トランプ氏が遠慮なくドイツを非難している状況で、首脳会議の成果にほとんど期待は持てないとの見方を示す。「主要7カ国(G7)首脳会議は事前のムードもかなり悪かったが、予想よりさらに悪化する形で終わった」と指摘した。
→ NATO首脳会議でトランプ米大統領とメルケル独首相が対立

■NATO首脳会議 トランプ米大統領がNATOに国防費増を要求
トランプ米大統領は11日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、国防費の目標を倍増するよう要求しました。
→ NATO首脳会議 トランプ米大統領がNATOに国防費増を要求

【まとめ】NATO首脳会議の見どころは?ドル円、ユーロ為替相場は今後どうなる?
来週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控え、米国と欧州の同盟諸国の当局者らは、NATO加盟29カ国がテロと戦い、ロシアに対抗し、国防支出拡大に向け緊密に協力している姿を示すことで、首脳会議を団結の象徴として演出しようと懸命に準備している。
しかし、トランプ大統領が貿易問題に言及した場合、ドル円、ユーロなどの為替相場に大きな影響があるかもしれません。
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