アメリカ3%の経済成長率達成が「極めて困難」な2つの理由

アメリカ経済成長率

アメリカのトランプ政権が目標とする「3%超」の経済成長率達成に対しイエレンFRB議長は「極めて困難」と発言。何よりトランプ「3%経済成長率」は、法人税引き下げや所得減税など大型減税の税制改革を前提としており、30年ぶり抜本的な税制改革を目指すも「ロシアゲート」疑惑の影響で減税法案の年内成立が危ぶまれています。

アメリカ3%の経済成長率達成が「極めて困難」な理由を詳しく解説します。



アメリカ3%の経済成長率を達成が「極めて困難」な理由

トランプ「3%成長論」が砂上の楼閣と実現が不安視されている。トランプ政権の「3%成長論」を砂上の楼閣とする要因の一つに労働力人口の伸び鈍化がある。米国の人口動態を見ると、生産年齢人口は2000年までの50年間は年率+1.2%の伸びを示してきた、今後の10年間は+0.3%の微増と急激にペースダウンする。

イエレンFRB議長も7月13日、上院銀行委員会の公聴会で証言し、米経済が今後5年で3%の成長率を達成するのは「極めて困難」と述べ、トランプ政権が目標とする「3%超」に対し懐疑的な見方を示した。議長は、同議会証言で、米経済は緩やかに拡大すると予測しつつも、高齢化などによる労働生産性の低下、就労人口の減少が成長の足枷になると指摘した。

しかも、何よりトランプ「3%成長論」は、法人税引き下げや所得減税など大型減税の税制改革を前提としている。だが、30年ぶり抜本的な税制改革を目指すも「ロシアゲート」疑惑の影響で減税法案の年内成立が危ぶまれている。

07月25日 23時25分 【Market Winコラム】米「3%成長論」は砂上の楼閣

アトランタ連銀「GDPナウ」の4-6月期GDP予測値が前期比年率2.4%まで低下し、NY連銀「GDPナウキャスト」は1.9%前後で推移、米4-6月GDP成長率の1-3月期1.4%成長からの大幅リバウンド期待が薄れつつありトランプ「3%成長論」が砂上の楼閣と実現が不安視される。

「例え、35%の法人税を公約の15%へ引き下げたとても米経済の2%成長を3%成長路線に乗せることは難しい」―。米民間調査団体「タックス・ファウンデーション」の試算を米WSJ紙が紹介して物議を醸した。

トランプ政権の「3%成長論」を砂上の楼閣とする要因の一つに労働力人口の伸び鈍化がある。米国の人口動態を見ると、生産年齢人口は2000年までの50年間は年率+1.2%の伸びを示してきた、今後の10年間は+0.3%の微増と急激にペースダウンする。

しかも、現在の4.3%前後の失業率はFRBが考える所の「完全雇用」状態に達している。例え、トランプ予算が社会福祉の歳出削減の一環としてフードスタンプ(低所得者向けの食糧費補助)とメディケイド(低所得者向け医療保険制度)の支出を削ったとしても、両プログラムの受給者は合わせて1950万人程度に他ならない。

「過去の給付削減の経緯からすれば、削減により働き出す人々は約3分の1の650万人程度にとどまる」(米WSJ紙)という。
つまり、労働者の増加数は、1億6000万人の全労働力人口に比べて僅かなものにすぎない上に効果は一時的なものに留まるとされる。しかも、「こうした新規参入労働者は、技術が低く未熟練者が多く生産性が低いためにGDP成長への寄与度は遥かに小さなものに限られる」(WSJ紙)と断じている。

一方、生産性の向上については、現在の米国の人口動態を前提とすると、「責任ある連邦予算委員会(CRFB)の試算では、3%成長達成には全要素生産性(TFP)が年率2.3%上昇する必要がある」(英エコノミスト誌)。

しかし、これほど高い生産性10年間にわたる上昇は、1949年以降において実現していないという。そこでトランプ政権が喧伝する今後10年間で最大1兆ドルの社会資本インフラ投資による成長率底上げ効果に期待されるが、「それによって3%成長が達成できたとしても公共投資が一巡すれば短期間に終わる可能性が高く、何より、今度は他の大枠目標である貿易赤字解消や財政均衡が達成できなくなる」(英エコノミスト誌)。

全要素生産性の向上は、企業収益を増やし労働者の賃金上昇期待が家計の「財布の紐」を緩め、消費財輸入が増えるから貿易赤字の解消は進まない。さらに、米国の生産性が上昇すると、ドル高という為替経路を通じても貿易赤字は拡大圧力を受ける。

2015年までの10年間のOECD(経済協力開発機構)加盟国の時間当たりGDPの上昇率は0.9%だったのに対し、米国1.0%の上昇だった。
こうした状況でさらに米国の生産性が上昇してGDP成長率が上方軌道へと向かえば、「世界の投資家はさらに米国資産に投資、結果としてドルが一段と上昇する」(英エコノミスト誌)。

むろん、ドル高は輸入を増やし、輸出を抑制する方向に作用し、結果、貿易赤字の解消は進まない。イエレンFRB議長も7月13日、上院銀行委員会の公聴会で証言し、米経済が今後5年で3%の成長率を達成するのは「極めて困難」と述べ、トランプ政権が目標とする「3%超」に対し懐疑的な見方を示した。議長は、同議会証言で、米経済は緩やかに拡大すると予測しつつも、高齢化などによる労働生産性の低下、就労人口の減少が成長の足枷になると指摘した。

しかも、何よりトランプ「3%成長論」は、法人税引き下げや所得減税など大型減税の税制改革を前提としている。だが、30年ぶり抜本的な税制改革を目指すも「ロシアゲート」疑惑の影響で減税法案の年内成立が危ぶまれている。

出典:FXニュースレター

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