トランプ大統領の大型減税がアメリカの貿易赤字を拡大する?

アメリカ貿易赤字

トランプ大統領の大型減税がアメリカの貿易赤字を拡大するのではないか?と言われています。



トランプ大統領の大型減税がアメリカの貿易赤字を拡大する?

貿易赤字はトランプ大統領が最も解消したい問題の一つである。

しかし、皮肉なことにトランプ大統領の政策の目玉である大型減税が、アメリカの今後の貿易赤字を拡大するのではないか?と言われています。 

トランプ氏が愛する減税、憎き貿易赤字を拡大

ドナルド・トランプ米大統領の最も強い信念のひとつに、貿易赤字は悪だというものがある。しかし、トランプ氏が経済政策の目玉に掲げる大型減税は、その忌み嫌う貿易赤字を今後数年にわたって拡大させることになりそうだ。  

今のところ、貿易赤字はトランプ氏が他国との貿易摩擦を誘発しかねない点は別として、経済を動かす問題というよりは世論を動かす問題だ。  

だが長期的には、貿易赤字の拡大で米国民は貧しくなるだろう。トランプ氏がよく訴えているのと違い、外国人に仕事を盗まれるからではない。生活水準を維持するために他国から借りる金額が増えるからだ。減税による恩恵のかなりの部分が返済で吹き飛ぶ。  

米国が貿易赤字を抱えているのは、米国では消費が生産を上回っている一方、貿易相手国では全体としては、その逆だからだ(別の言い方をすれば、米国は貯蓄より投資が多いが、他国は投資より貯蓄が多い)。最近この差額は拡大し、昨年10月以降は1カ月当たり平均540億ドル(その前の12カ月は同460億ドル)となっている。  

貿易赤字拡大は、最近の他国の成長鈍化や米国のハリケーン被災地での復興需要を反映している面もある。しかし、もっと長期的な要因もある。その筆頭はトランプ氏が昨年12月に署名し、1月1日に施行された大型減税だ。減税への期待は企業に投資を促し、株価を急速に押し上げ、その上昇にあずかった投資家の支出増加をもたらしている。2月には、2年間で歳出を3000億ドル近く増やす予算関連法を議会が承認し、トランプ氏が署名した。

  これら2つの措置が企業と家計の支出を押し上げるため、米国の輸入は増加するはずだ。実際、米国の財政刺激の波及効果は国際通貨基金(IMF)の楽観的な世界経済見通しに大きく貢献している。米国にとって、それは良いことだ。失業率が4.1%の米国には新たな需要を全て満たすだけの余剰労働者がいないため、輸入は景気過熱に対する安全弁になる。エコノミストが貿易赤字に動じていない理由は数々あるが、これもその1つ。この安全弁に代わるのは投資の減少、そしておそらくリセッションだ。  

それと違ってトランプ氏は、貿易をゼロサムゲーム、貿易赤字を米国が負けている証拠だと考えている。その是正に注力するのが同氏の貿易政策だ。北米自由貿易協定(NAFTA)と米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉しかり、鉄鋼・アルミニウム関税や中国からの輸入品1500億ドル相当に関税を課すとの威嚇しかりである。だがこうした措置が貿易不均衡に与える影響は、最大でも取るに足らない程度だろう。米国で使われる鉄鋼製品の一部は関税を受けて外国製から国産に代わるだろうが、米国に代替品がない輸入品も多い。一方、輸入原料の価格上昇や輸出市場での報復関税の影響で米企業の売り上げが減る恐れがある。  

1つの国や1つの製品で赤字を是正したところで、それは無意味なことが多い。赤字が単純に別の場所で発生することがあるからだ。例えば、「シェール革命」は石油の輸出増加と輸入減少によって赤字圧縮に大きく貢献してきた。だが他の商品(コモディティー)での不均衡はその恩恵を打ち消して余りあるほど増加している。

 米国の貿易赤字を恒久的に減らすには、米国の貯蓄が増えるとともに他国の貯蓄が減らなくてはならないが、これは難しい注文だ。貯蓄は、高齢化や社会保障、融資の利用しやすさといった構造的要因に大きく左右されるからだ。中国は長年、人民元相場を低く抑えながら資本流入をコントロールし、国内の家計が消費できる金額を実質的に制限することで、国内の貯蓄を増大させた。しかし最近は違う。トランプ氏は16日に、中国が「切り下げゲーム」に興じているとツイートしたが。  

財政赤字が恒常的に増大すれば、国の貯蓄が減るため貿易赤字が悪化する。ラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、財政赤字と貿易赤字の関連に反論した。しかし、ゴールドマン・サックスの最近のリポートによると、エコノミストらが過去の記録を調べたところ、他の要素が全て同じ場合、政策決定によって財政赤字が100ドル増えるごとに貿易赤字が35ドル増えることが分かった。  

議会予算局(CBO)は先週、予算見通しの年次報告で、減税は経済成長や金利に加えてドルを小幅に押し上げると予想した。ドル上昇は輸入額を増やすと同時に輸出に水を差す。  

CBOは、減税が国民の労働・投資の増加を促すとの見方に賛成しながらも、消費の増加に見合うほどではないと予想。5年後の経常赤字(海外とのモノ・サービスの取引と投資収支からなる)は現在より1000億ドル多いと見込んでいる。  

また、減税は米国の国内総生産(GDP)を今後10年にわたり平均で年間0.7%(1人当たり710ドル)押し上げると予想している。だが外国勢が得た収入を除外した国民総生産(GNP)については、0.4%(1人当たり470ドル)の増加にとどまる見通し。つまり、成長加速の3分の1は米国民ではなく、米国債を購入した外国勢が手にする計算だ。  

トランプ氏は他国の略奪から米国を救うと約束してホワイトハウスに入ったが、政権を去る時には米国の債務がかつてないほど増えている可能性は現実にある。

出典:FXニュースレター

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