アメリカ減税法案に潜む落とし穴とは?アメリカ経済は今後どうなる?

アメリカ減税法案

アメリカ減税法案で財政赤字が1兆ドル近くに増えると予想されていますが、そこに潜む落とし穴とは?アメリカ経済は今後どうなるでしょうか?詳しくまとめました。



専門家は減税に対して警鐘

 今後数年で米連邦政府の財政赤字を1兆ドル近くに増やすと予想される減税に踏み切る政府は、現在の成長を将来的な痛み増幅のリスクと引き換えにしているかもしれない。

米政府はこれまで、経済が縮小している時に金利の引き下げや支出拡大、減税といった措置を講じてきた。予算を分析するアナリストは、将来の政策担当者が次のリセッションに直面した際に使える武器が減ると警告している。既に高まっている国の債務水準が減税でさらに押し上げられると予想されるからだ。

そのため、次の景気低迷が本来よりも深刻になり、将来の危機対応で連邦準備制度理事会(FRB)が受ける圧力が高まる恐れがある。

トランプ減税 時期に問題?

上院共和党の予算アドバイザーを務めた経験のある超党派政策センター(BPC)のウィリアム・ホーグランド氏は、ドナルド・トランプ大統領が昨年12月に署名した減税法案に言及し「私はいつでも税法改革に賛成だが、今回のタイミングは理にかなっていない」と指摘。「もし実際に景気が低迷した場合、連邦政府の見地から使える手段は何か」と述べた。

リセッション確率は13%と予想

良い知らせは、近い将来リセッションに突入すると考えるエコノミストがほとんどいないことだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12月に実施した調査では、向こう1年以内にリセッション入りする確率は13%という低い予想が示された。

だが景気はいずれ低迷する。そしてそうなった時に、政府の準備が整っていない恐れがある。

昨年1兆5000億ドルの減税が決まる前でさえ、高齢化に伴う費用のために今後10年で赤字が膨らむと予想されていた。高齢化が進めばメディケア(高齢者向け公的医療保険)や社会保障の費用が増え、個人所得や家計支出の伸びが鈍化する恐れがある。

将来の景気低迷時の対策として不安

財政面での柔軟性が低下すれば、低迷に対処する能力が下がるだけでは済まない。年間予算の攻防で一段と難しい取捨選択を迫られることは、20日に始まった政府の一部閉鎖が鮮明に表している。米軍再建といった他の優先事項が犠牲になることも考えられる。議会予算局(CBO)によると、米国の利払い費用は27年までに軍事費を上回る見通しだ。

ホワイトハウスと議会共和党は、成長が加速すれば税収が増え、いずれは減税による歳入不足を補うと話す。だがこの主張を裏付ける綿密な分析は公表しておらず、税制合同委員会やCBO、多くの民間アナリストの予想はそうした主張と食い違っている。

01月22日 15時16分 DJ-【焦点】米減税、経済成長と将来的な痛みのトレードオフか

 今後数年で米連邦政府の財政赤字を1兆ドル近くに増やすと予想される減税に踏み切る政府は、現在の成長を将来的な痛み増幅のリスクと引き換えにしているかもしれない。

米政府はこれまで、経済が縮小している時に金利の引き下げや支出拡大、減税といった措置を講じてきた。予算を分析するアナリストは、将来の政策担当者が次のリセッションに直面した際に使える武器が減ると警告している。既に高まっている国の債務水準が減税でさらに押し上げられると予想されるからだ。そのため、次の景気低迷が本来よりも深刻になり、将来の危機対応で連邦準備制度理事会(FRB)が受ける圧力が高まる恐れがある。

上院共和党の予算アドバイザーを務めた経験のある超党派政策センター(BPC)のウィリアム・ホーグランド氏は、ドナルド・トランプ大統領が昨年12月に署名した減税法案に言及し、「私はいつでも税法改革に賛成だが、今回のタイミングは理にかなっていない」と指摘。「もし実際に景気が低迷した場合、連邦政府の見地から使える手段は何か」と述べた。

良い知らせは、近い将来リセッションに突入すると考えるエコノミストがほとんどいないことだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12月に実施した調査では、向こう1年以内にリセッション入りする確率は13%という低い予想が示された。  だが景気はいずれ低迷する。そしてそうなった時に、政府の準備が整っていない恐れがある。

昨年1兆5000億ドルの減税が決まる前でさえ、高齢化に伴う費用のために今後10年で赤字が膨らむと予想されていた。高齢化が進めばメディケア(高齢者向け公的医療保険)や社会保障の費用が増え、個人所得や家計支出の伸びが鈍化する恐れがある。

財政面での柔軟性が低下すれば、低迷に対処する能力が下がるだけでは済まない。年間予算の攻防で一段と難しい取捨選択を迫られることは、20日に始まった政府の一部閉鎖が鮮明に表している。米軍再建といった他の優先事項が犠牲になることも考えられる。議会予算局(CBO)によると、米国の利払い費用は27年までに軍事費を上回る見通しだ。

ホワイトハウスと議会共和党は、成長が加速すれば税収が増え、いずれは減税による歳入不足を補うと話す。だがこの主張を裏付ける綿密な分析は公表しておらず、税制合同委員会やCBO、多くの民間アナリストの予想はそうした主張と食い違っている。

ロナルド・レーガン政権で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務めたハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は、減税が将来の衝撃に備えた保険の役割を果たすかもしれないと述べた。「米国がリセッション入りしたら、国民はこの刺激策があることを非常に幸せに感じるだろう」という。

フェルドシュタイン氏は、減税の元が取れるとは考えていない。だが債務増大に関連した利払い費用の増加は法人税の増加で相殺されるとの考えを示した。

専門家の予想では、税制改革で今年と来年の成長はやや高まるが、財政赤字と連邦債務も増えるとみられている。成長が横ばいとの想定の下、CBOの専門家は20年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を4.9%と予想している。昨年6月の予想は3.6%だった。

公的債務の対GDP比率は07~09年のリセッション後に2倍に拡大し、減税が決まる前は今年の78%から向こう10年で91%に増えると見られていた。CBOは現在、減税を受けてこれが97.5%に高まると予想している。

ジャネット・イエレンFRB議長は減税が成立する前に開いた先月の会見で、「既に大きな問題をさらに悪化させる債務の増大を懸念している」と述べた。

「トランプ減税」の一部支持者は将来の刺激策に関する懸念がお門違いだと話すが、これは彼らがそもそも刺激策には効果がないと考えているためでもある。レーガン政権で予算を担当し、昨年トランプ氏の選挙陣営に助言をしたローレンス・クドロー氏は「過去8年はケインズ式の刺激策が多かった。回復は第2次世界大戦以来の遅さだった」と述べた。

バラク・オバマ前政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたクリスティーナ・ローマー氏らによる新たな分析によれば、低迷時には財政の余地が物を言う。同氏らは1967年以降に起きた金融危機後の先進24カ国の経済動向について研究した。それによると、債務の対GDP比率が低い国ほど積極的な対応をしており、利下げや成長刺激のために可能な手段を全て使った国は成長の減速が緩やかだった。財政や金融政策の緩和余地がなかった国は、より激しい後退に見舞われた。

金融政策も限界に直面する。金利は既に低く、低迷時に借り入れや支出を促そうとしても大幅な引き下げはできないのだ。財政政策の勢いが足りなければ、「すべてがFRBに舞い戻ってくる。FRBにとっては恐ろしい状況だ」とBPCのホーグランド氏は述べた。

FRBは短期の指標金利を7年近くにわたってゼロ近辺に据え置いた後、15年12月以来5回利上げしている。直近では昨年12月に1.25~1.5%に引き上げた。当局者らは、20年までに3%前後に引き上げると見込んでいる。それでも過去に比べてかなり低い。FRBは過去3回の低迷時とその後に、それぞれ5.25%ポイント、5.5%ポイント、4.75%ポイントの引き下げをしている。  ビル・クリントン政権で財務長官、オバマ政権で顧問を務めたローレンス・サマーズ氏は「私たちは非常にもろい状況にある」と述べた。「金融政策が次のリセッションから私たちを可能な限り早急に救い出すと仮定する根拠はない」

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

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