郭文貴とは?中国共産党の汚職不正暴露しアメリカへ亡命

郭文貴

郭文貴(クオ・ウエンコイ)氏とは、中国共産党の一部指導者による汚職や不正について暴露し、政治に関心がある一部の中国国民から注目を集めるとともに中国政府に揺さぶりをかけてきました。

中国の不動産王として一代で財を成した富豪である郭文貴氏は2015年から「亡命先」のアメリカのニューヨークに住んでいますが、中国政府から国際指名手配され、19の重大犯罪の容疑をかけられています。



郭文貴(クオ・ウエンコイ)とは?

郭文貴氏とは、中国共産党の一部指導者による汚職や不正について暴露した人物で、2015年から「亡命先」のアメリカのニューヨークに住んでいます。

郭文貴氏によると、自身と親しかった国家安全省の当局者が中国政府の汚職撲滅運動の一環で拘束されることを知り、郭文貴氏自らも身の危険を感じ中国から脱出。現在も「亡命先」のニューヨークから中国政府への批判を繰り返しています。

マイルス・クオックと名乗ることもある郭文貴氏は、中国の不動産王として一代で財を成し今後も中国共産党に対する発言を引き続き積極的に展開すべく、軍資金を準備してあると発言しています。自身の信用を失墜させようとする中国政府の企てにも対抗する構えです。

中国共産党の汚職不正を暴露し郭文貴はアメリカへ亡命

郭文貴氏は過去9カ月間にツイートやオンライン動画、ソーシャルメディアへの投稿を通じ、中国企業と政界上層部の癒着が疑われる状況を次々と暴露。政治に関心がある一部の中国国民から注目を集めるとともに、中国政府に揺さぶりをかけてきました。

また、中国の政治家の資産や海外不動産の所有状況について詳細な資料を公表する考えも示しています。郭文貴氏はこれらの情報を国家安全省との過去の仕事を通じて、また私立探偵を雇うなどして入手したとしています。

「中国はマフィア国家」と郭文貴は批判

郭文貴氏はここ数週間、中国政府への攻勢を強めています。ワシントン・タイムズに最近寄稿したオピニオン記事は「巨大な中国マフィア国家」を批判する内容でした。10月4日には米シンクタンク、ハドソン研究所で講演を行う計画です。郭文貴氏によると、中国の政治的野望と、中国の対米投資が米国の国家安全保障に及ぼす影響について語るという。「中国はいま非常に危険な岐路に差しかかっている」と郭文貴氏は話しています。

しかし、郭文貴氏の語る疑惑は、独立した検証が難しいものが多いのが現状。ただし…。

郭文貴の発言が中国の党大会に影響?

郭文貴氏の主張の数々は、今月開催される5年に1度の中国共産党大会で慎重に演出される最高指導部入れ替えに影響を及ぼすかもしれません。

党大会では向こう5年間のトップに習近平国家主席が選出される予定ですが、地位の高い一部の幹部を郭文貴氏が攻撃したことで、主要ポストへの昇進を狙う高級幹部の水面下の争いを左右する可能性がある。

中国政府は郭文貴を国際指名手配、19の重大犯罪の容疑

中国政府は郭文貴氏の暴露話を荒唐無稽とはねつけ、国際刑事警察機構を通じて指名手配しました。中国の裁判所は郭文貴氏のかつての部下の一部に対し、詐欺や横領などの罪で禁錮や罰金の刑を科し、中国メディアは郭文貴氏を悪質な人物として描いた記事を掲載しています。

中国当局者は8月、郭文貴氏を贈収賄や誘拐、詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、性的暴行など少なくとも19の重大犯罪の容疑で捜査しているとAP通信に述べています。

また中国の複数の企業や個人が最近、米国の裁判所で郭文貴氏に対する訴訟を起こしました。係争中のものでは、企業買収を手がける複合企業、海航集団(HNAグループ)から名誉毀損で訴えられたケースがあります。郭文貴氏はHNAと中国共産党高級幹部の癒着を指摘していました。中国人女性がニューヨークで起こした別の民事訴訟は、郭文貴氏の個人アシスタントとして働いていたときに性的暴行を受けたというものです。

郭文貴は「中国が仕掛けた偽情報」と容疑を否認

郭文貴氏はこれらの容疑を否認し、中国当局が仕掛けた偽情報キャンペーンの一環だと主張しました。「これは私が何者か、私が何をしたかとは一切関係がない。私がこれまで暴露した内容に対し、彼らは公の場で何一つ反論していない」

郭文貴氏は中国政府について自分が不正行為をしているという証拠を示すべきだと主張しました。

中国政府に対し名誉毀損訴訟

郭文貴氏は名誉毀損(きそん)などを巡る複数の訴訟で争うほか、中国政府にさらなる批判を浴びせることで、今後数年間に発生するだろう法的費用などの出費に備え、1億5000万ドル(約170億円)以上を確保してあると述べています。郭文貴氏は先月、アメリカに政治亡命を正式に申請しています。

郭文貴氏はアメリカ政府が亡命を認め、自分を「黙らせる」中国政府の動きに立ちはだかることを確信していると語っています。「アメリカは、正義の最後のとりでだ」と郭文貴氏は述べ「もし米国が存在しなかったら、私はこの世にいないだろう」と発言しました。

10月04日 15時23分 DJ-【焦点】中国政府を糾弾、「亡命」富豪の強気の戦い

 中国共産党の一部指導者による汚職や不正について、「亡命先」のニューヨークから批判を繰り返してきた実業家の郭文貴氏。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、今後も中国共産党に対する発言を引き続き積極的に展開すべく、軍資金を準備してあると述べた。自身の信用を失墜させようとする中国政府の企てにも対抗するとしている。

 郭氏は名誉毀損(きそん)などを巡る複数の訴訟で争うほか、中国政府にさらなる批判を浴びせることで、今後数年間に発生するだろう法的費用などの出費に備え、1億5000万ドル(約170億円)以上を確保してあると述べた。同氏は先月、米国に政治亡命を正式に申請している。

 「何も私を止められない」。郭氏はマンハッタンのセントラルパークを見下ろす高級アパートで行われたインタビューでこう述べた。同氏はアメリカ政府が亡命を認め、自分を「黙らせる」中国政府の動きに立ちはだかることを確信していると語った。

 「アメリカは、正義の最後のとりでだ」と郭氏は述べた。「もし米国が存在しなかったら、私はこの世にいないだろう」

 マイルス・クオックと名乗ることもある郭氏は、中国の不動産王として一代で財を成し、2015年から米国に住んでいる。自身と親しかった国家安全省の当局者が中国政府の汚職撲滅運動の一環で拘束されることを知り、中国から脱出したという。

 郭氏は過去9カ月間にツイートやオンライン動画、ソーシャルメディアへの投稿を通じ、中国企業と政界上層部の癒着が疑われる状況を次々と暴露。政治に関心がある一部の中国国民から注目を集めるとともに、中国政府に揺さぶりをかけてきた。また、中国の政治家の資産や海外不動産の所有状況について詳細な資料を公表する考えも示している。同氏はこれらの情報を国家安全省との過去の仕事を通じて、また私立探偵を雇うなどして入手したとしている。

 郭氏はここ数週間、攻勢を強めている。ワシントン・タイムズに最近寄稿したオピニオン記事は「巨大な中国マフィア国家」を批判する内容だった。4日には米シンクタンク、ハドソン研究所で講演を行う計画だ。同氏によると、中国の政治的野望と、中国の対米投資が米国の国家安全保障に及ぼす影響について語るという。「中国はいま非常に危険な岐路に差しかかっている」と郭氏は話す。

 中国政府は郭氏の暴露話を荒唐無稽とはねつけ、国際刑事警察機構を通じて指名手配した。中国の裁判所は郭氏のかつての部下の一部に対し、詐欺や横領などの罪で禁錮や罰金の刑を科した。中国メディアは同氏を悪質な人物として描いた記事を掲載している。

 郭氏の語る疑惑は、独立した検証が難しいものが多い。同氏の年齢でさえ少々議論の余地がある。同氏はWSJに対し、生年は1967年か1968年だと思うと語ったが、以前は1970年生まれだと話していた。ただ、同氏の主張の数々は、今月開催される5年に1度の共産党大会で慎重に演出される最高指導部入れ替えに影響を及ぼすかもしれない。

 党大会では向こう5年間のトップに習近平国家主席が選出される予定だ。地位の高い一部の幹部を郭氏が攻撃したことで、主要ポストへの昇進を狙う高級幹部の水面下の争いを左右する可能性がある。

 中国当局者は8月、郭氏を贈収賄や誘拐、詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、性的暴行など少なくとも19の重大犯罪の容疑で捜査しているとAP通信に述べた。また中国の複数の企業や個人が最近、米国の裁判所で郭氏に対する訴訟を起こした。係争中のものでは、企業買収を手がける複合企業、海航集団(HNAグループ)から名誉毀損で訴えられたケースがある。郭氏はHNAと共産党高級幹部の癒着を指摘していた。中国人女性がニューヨークで起こした別の民事訴訟は、郭氏の個人アシスタントとして働いていたときに性的暴行を受けたというものだ。

 郭氏はこれらの容疑を否認し、中国当局が仕掛けた偽情報キャンペーンの一環だと主張した。

 「これは私が何者か、私が何をしたかとは一切関係がない。私がこれまで暴露した内容に対し、彼らは公の場で何一つ反論していない」

 郭氏は中国政府についてこう述べた。居住するアパートの暖炉のそばで中国の黒いガウンに身を包み、お茶をすすりながら、郭氏は自分が不正行為をしているという証拠を示すべきだと主張した。

 郭氏の支持者らは、中国の市民に直接メッセージを届ける同氏の動きを中国政府が妨げようとしていると話す。中国では最近、米フェイスブック傘下のメッセージアプリ「ワッツアップ」で数回の障害が起きたが、それは郭氏のライブ動画や米国に拠点を置く中国メディアとのインタビューを配信するのと同じタイミングだった。中国のネット空間を管理する国家互聯網信息弁公室(CAC)は「全ての企業は違法な情報をブロックする責任があり、ワッツアップも同じだ」と述べた。

 先週末、郭氏が使っていたフェイスブックのアカウントが削除された。事情に詳しい関係者によると、個人識別情報を共有するのに使われたため、フェイスブックがこのアカウントの使用を停止したという。こうしたデータを無断で公開するのはサービス利用規約に違反している。

 この件を質問された郭氏は、敵の仕業であるとの考えを示した。同氏はツイッターへの投稿でこの行為を「卑劣だ」と断じた。

出典:Dow Jones 

10月25日 09時55分 DJ-【焦点】「亡命」富豪めぐる米中攻防、スパイ映画さながら

 中国人実業家で富豪の郭文貴氏は今年5月、ニューヨーク五番街にあるシェリー・ネザーランドホテルの18階で中国国家安全省の当局者4人と面会した。

 中国を逃れて米国で「亡命」状態にある郭文貴氏は、数カ月にわたり中国政界上層部や同国実力者の腐敗疑惑をツイッターに投稿している。数時間におよんだ国家安全省との面会では、そのような活動をやめて中国に戻るよう促された。指示に従えば郭文貴氏の資産は凍結を解除され、親族も安全に暮らしていけると伝えられた。

 郭文貴氏の証言や同氏がインターネット上に公開した録音などによれば、国家安全省のリウ・イェンピン氏は「解決策を探るため」、中国政府の代行としてホテルを訪問したと述べている。リウ氏の態度は友好的なものとはほど遠く、郭文貴氏にどのようなリスクが生じるかも示された。「このようなことを永遠に続けられるわけがない」と話したリウ氏は、「本当のことを言うと、私はあなたのことを心配している」とも述べている。

 張り詰めた面会はその後、郭文貴氏の処遇をめぐる米政府内の議論に発展。経済および軍事面で最大のライバルである中国に米国がどう接していくのか、当局者の考え方の違いが露呈されたと関係者らは話す。貿易摩擦、サイバースパイ、そして対北朝鮮政策などで米中の意見が一致しない中、ニューヨークに滞在する郭文貴氏の存在は米中間の緊張に拍車をかけている。

 郭文貴氏と面会した国家安全省の当局者は公的業務を遂行するためのビザで入国していなかったため、米連邦捜査局(FBI)の目にも止まったという。事情に詳しい関係者によれば、FBIは対応に動く構えだったが、対中関係でより柔軟な路線を探る国務省などと意見が一致しなかった。

 郭文貴氏は中国政財界の大物、そして北朝鮮に関する価値ある情報を手にしていると主張する。そのため、米国の安全保障当局者の中には郭文貴氏が対中交渉の有力な切り札になるとする意見もある。

 事態が新たな展開を見せたのは、ドナルド・トランプ米大統領に中国政府からの書簡が届いた時だ。書簡を届けたのはカジノ界の実力者でマカオにも進出しているスティーブ・ウィン氏。トランプ氏は中国政府の要望に応じて郭文貴氏を強制送還することも考慮したが、他の政府高官らに止められたと事情に詳しい関係者は話す。

 ワシントンの在米中国大使館は今回の件についてコメントを控えるとした。
 ウィン氏が率いるウィン・リゾーツのマイケル・ウィーバー最高マーケティング責任者(CMO)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「ウィン氏にまつわる報道は事実と異なる。それ以上、彼がコメントすることはない」と述べた。

 北京を拠点に不動産事業で財を成した郭文貴氏は、自身と親しかった国家安全省の当局者が政府の汚職撲滅運動の一環で拘束されることを知り、2014年に中国から逃亡。中国政府はその後、贈収賄や誘拐、詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、性的暴行など少なくとも19の重罪を犯した容疑で郭文貴氏を捜査している。中国政府は郭文貴氏が人目を引きたいだけの犯罪者だというレッテルと貼ろうとした。一方で郭文貴氏はこれら疑惑をすべて否定する。

 郭文貴氏は正式に亡命を申請しているが、米政府はまだ判断を示していない。同氏は2015年に6750万ドル(約76億5000万円)を払い、セントラルパークを見下ろすシェリー・ネザーランドの部屋を購入。その部屋で中国の情報当局である国家安全省との面会が実施されたのは5月24日だった。

 国家安全省のリウ氏らは、米国を経由して他国に向かう際に使われる通過ビザで入国し、シェリー・ネザーランドを訪れた。郭文貴氏は妻の渡米が認められたため、国家安全省との面会に応じたと話す。

 ホテルの一室では身柄を拘束された郭文貴氏の親族や会社の従業員についての話が交わされたほか、反共産党を訴える活動をやめれば中国政府も寛容に対応すると伝えられた。郭文貴氏はその要求を聞き入れなかった。

 FBIの捜査官がニューヨークのペンシルベニア駅で中国当局者を呼び止めたのは、帰宅ラッシュが始まる24日の午後5時頃。当初、中国側は文化事業に携わる外交官だと主張したが、その後に国家安全省に所属していることを認めた。FBIは不正ビザでの滞在を理由に直ちに出国するよう伝え、郭文貴氏に再び接触しないよう要請した。
 中国当局者は首都ワシントン行きの電車に乗車し、FBIも彼らが24時間以内には米国を去ると考えていた。しかし2日後の5月26日、リウ氏らは午後の便に搭乗する前に再び郭文貴氏の部屋を訪れた。

 郭文貴氏は中国当局者が再び部屋を訪れると米捜査当局に伝えていた。関係者によると、ブルックリンの地区検察局は不正なビザ利用や強要の疑いで動くべく準備していた。FBIの捜査官らは午後4時50分発の中国国際航空の便に間に合うよう、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に向かった。

 その頃、国家安全省の当局者らは郭文貴氏の妻が準備した食事を口にしていた。渡米を認められた郭文貴氏の妻は、リウ氏に感謝していたという。ただ郭文貴氏は、中国政府の寛容な対応の引き替えに沈黙するよう求める申し出を再度断り、当局者らを見送ったと話す。

 空港での逮捕に向け、検察当局は政府からの最終判断を待つ段階にあった。FBIの捜査官が ボーディングブリッジで待機していたその頃、ホワイトハウスの安全保障当局者は国務省や司法省、国防総省、情報機関の関係者らと電話会議を行っていた。

 国務省当局者は、中国に滞在する米国職員が報復行為を受ける恐れがあるとして、ケネディ空港での逮捕をためらった。空港で中国当局者に追加検査を実施して搭乗を阻止し、時間を稼ぐ案も提示されたという。しかし意見が一致せず、空港で待機するFBI捜査官は中国当局者の携帯電話を押収するにとどまった。

 一連の出来事について、国務省は「今回のような判断は複数機関の総意に基づくものだ」と書面を通じて説明した。

 一方、司法省の広報担当者は「外交官や領事館員、また大使館員ではない個人が、司法長官に事前通知することなく他国政府の代行として米国内で活動することは犯罪行為だ」と指摘。その上で、米国は中国との間では国外逃亡者の扱いで「継続的な協力にコミット」しており、また米国は「いかなる国からの逃亡者にとっても避難先ではない」と続けた。

 米国と中国は犯罪人引き渡し条約を締結していないため、これまで問題が生じたこともある。2014年以降、中国は汚職で訴追された国外逃亡者の身柄確保を世界中で強化している。この動きは「キツネ狩り作戦」とも呼ばれ、中国国内の親族に圧力をかけたり、逃亡者の資産を凍結したり、捜査官を直接送り込んで個人的に脅すこともある。

 ケネディ空港での一件に関わった米国の当局者らは6月、政策調整会議の場で事件を振り返り、そこで激しい議論が繰り広げられた。当時、国家安全保障会議(NSC)の情報活動シニアディレクターを務めていたエズラ・コーエン・ワトニック氏は、東アジア情勢に精通するスーザン・ソーントン国務次官補代理を批判。中国が米国で不法行為を繰り返しているにもかかわらず、国務省が捜査当局を妨害していると述べたと関係者は明かす。

 一方、国務省当局者は、FBIが事前に許可を得ないまま中国当局者と接触を試みたことを批判したという。関係者によると、国務省のローラ・ストーン氏は中国ですでに報復行為を受けているとし、中国を出国しようとした際にノートを押収されたと訴えた。

 だがFBIの防諜部門でアシスタントディレクターを務めるビル・プリースタプ氏は「それはあなたが中国で誰かの誘拐や強要を試みていたからか」と切り返した。

 ホワイトハウスの大統領執務室では同じく6月、中国政府が最新技術などを米企業の研究室から盗みだそうとしている疑いについて、トランプ氏が説明を受けた。その会議をよく知る関係者によると、マイク・ペンス副大統領やジャレッド・クシュナー上級顧問らも出席したその場で、トランプ氏は90日以内に選択肢を示すよう指示。それと同時に、米国から直ちに送還されるべき「中国人の犯罪者」が少なくとも1人はいると述べたという。関係者によると、トランプ氏はその際、郭文貴氏の送還を求める中国政府からの書簡について触れていた。

 トランプ氏が書簡を目にしたのは、ホワイトハウスで開かれた非公式な夕食会でのことだったと関係者は明かす。書簡を手渡したのは共和党全国委員会で財務部門のトップを務め、カジノ業界の大物として知られるウィン氏だ。同氏がマカオに所有する複数のカジノは、中国政府からの認可を受けなければ経営ができない。

 ホワイトハウスの広報担当はこの件についてコメントを控えるとした。

 一部のトランプ氏の側近は、郭文貴氏が「マール・ア・ラーゴ」(トランプ氏がフロリダ州に所有するリゾート施設)の会員であることなどに言及し、その話題を終わらせようとしたという。関係者によると、側近らは将来的に中国との交渉材料に利用すべく、郭文貴氏が強制送還されないよう努力を続けた。

 その郭文貴氏は10月4日、米国の有力シンクタンクであるハドソン研究所で講演する予定だった。同じ日、中国の郭声コン公安相がジェフ・セッションズ米司法長官らと面会し、サイバーセキュリティーなどについて意見交換することも決まっていた。

 郭文貴氏の講演を前に、ハドソン研究所は数日にわたって上海からサイバー攻撃を受けたと研究所の広報担当者は明かす。中国大使館もハドソン研究所の関係者に電話し、郭文貴氏に話す機会を与えないよう警告したと複数の関係者は話す。

 結局、ハドソン研究所は郭文貴氏の講演イベントを中止。ケネス・ワインスタイン所長は中国政府からイベントを開催しないよう「説得を試みる」動きがあったことを認めたが、中止を決めたのは中国からの圧力によるものではなく、準備の不手際が原因だったと話している。

出典:Dow Jones 

【まとめ】郭文貴とは?中国共産党の汚職不正暴露しアメリカへ亡命

郭文貴氏とは、中国共産党の一部指導者による汚職や不正について暴露した人物で、2015年から「亡命先」のアメリカのニューヨークに住んでいます。マイルス・クオックと名乗ることもある郭文貴氏は、中国の不動産王として一代で財を成し郭文貴氏は過去9カ月間にツイートやオンライン動画、ソーシャルメディアへの投稿を通じ、中国企業と政界上層部の癒着が疑われる状況を次々と暴露。政治に関心がある一部の中国国民から注目を集めるとともに、中国政府に揺さぶりをかけてきました。

また、中国の政治家の資産や海外不動産の所有状況について詳細な資料を公表する考えも示しています。郭文貴氏はこれらの情報を国家安全省との過去の仕事を通じて、また私立探偵を雇うなどして入手したとしています。

しかし、郭文貴氏の語る疑惑は、独立した検証が難しいものが多いのが現状。ただし…。

郭文貴の発言が中国の党大会に影響?

郭文貴氏の主張の数々は、今月開催される5年に1度の中国共産党大会で慎重に演出される最高指導部入れ替えに影響を及ぼすかもしれません。党大会では向こう5年間のトップに習近平国家主席が選出される予定ですが、地位の高い一部の幹部を郭文貴氏が攻撃したことで、主要ポストへの昇進を狙う高級幹部の水面下の争いを左右する可能性があります。

中国政府は郭文貴を国際指名手配、19の重大犯罪の容疑

中国政府は郭文貴氏の暴露話を荒唐無稽とはねつけ、国際刑事警察機構を通じて指名手配しました。中国当局者は8月、郭文貴氏を贈収賄や誘拐、詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、性的暴行など少なくとも19の重大犯罪の容疑で捜査しているとAP通信に述べています。また中国の複数の企業や個人が最近、米国の裁判所で郭文貴氏に対する訴訟を起こしました。

郭文貴は「中国が仕掛けた偽情報」と容疑を否認

郭文貴氏はこれらの容疑を否認し、中国当局が仕掛けた偽情報キャンペーンの一環だと主張。「これは私が何者か、私が何をしたかとは一切関係がない。私がこれまで暴露した内容に対し、彼らは公の場で何一つ反論していない」また、郭文貴氏は中国政府について自分が不正行為をしているという証拠を示すべきだと主張しています。

 

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