アメリカ中間選挙で「銃規制」の民主党、中間選挙で吉と出るか?

アメリカ中間選挙

2018年11月のアメリカ中間選挙では「銃規制」の民主党の結果が吉と出るか注目が集まっています。



アメリカ中間選挙で「銃規制」の民主党、中間選挙で吉と出るか?

アメリカの中間選挙に出馬する民主党の候補者たちは、筋金入りの銃規制を訴えている。注目度の高いテーマで大きな転換を図ったともいえる動きだ。

銃規制は民主党にとって中間選挙を占うリトマス試験紙の役目を果たすものであり、人工妊娠中絶の権利や同性婚と並び、党内でほぼ足並みをそろえた主張を展開する。

「極論に走って有権者を遠ざけるのは、政党としてあり得ない」とヘンリー・クエラー下院議員(テキサス州)は話す。同氏は今年NRAの選挙資金を受け取る3人の民主党候補のうちの1人だ。「11月の中間選挙をにらむ時期だからなおさらだ」

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが共同で実施した6月の世論調査で、民主党支持者は銃規制を医療保険制度に次ぐ2番目に重要な政治的テーマに挙げた。一方、共和党支持者の間では銃問題が5位だった。経済、税金、移民、トランプ氏への支持がそれを上回っていた。

11月の中間選挙で民主党が過半数を奪還すれば、1994年に攻撃用武器が禁止されて以来となる本格的な銃規制論議がスタートするのは必至とみられる。

「銃規制一色」の米民主党、中間選挙で吉と出るか

 2010年に米下院議員に当選した民主党のアン・カークパトリック氏(アリゾナ州)は選挙期間中、全米ライフル協会(NRA)の候補者格付けで「A」にランクされたことを力説していた。銃規制に反対の立場を表明し、父親と狩りに行ったエピソードなどを披露して地方部が多い地元の有権者を大いに沸かせていた。

 そのカークパトリック氏は今年、下院議員への返り咲きを目指すなか、最も強硬な部類に入る銃規制案を支持している。そうした規制案には、銃購入者全員への身元調査の義務づけ、攻撃用武器に指定された銃の禁止などが含まれる。「誇り高き銃所有者」という長年の立場を否定し、父親から譲り受けた猟銃も手放したという。「私の自宅には銃が1丁もない」と同氏は語る。

 今年選挙に出馬する民主党の候補者たちは、筋金入りの銃規制を訴えている。注目度の高いテーマで大きな転換を図ったともいえる動きだ。銃規制は民主党にとって中間選挙を占うリトマス試験紙の役目を果たすものであり、人工妊娠中絶の権利や同性婚と並び、党内でほぼ足並みをそろえた主張を展開する。

 民主党議会選挙対策委員会(DCCC)は6年前、地方の選挙区の候補に対し、自らが銃を手に持つ映像をテレビCMで流すように助言した。このときNRAは民主党の下院議員候補30人に選挙資金を提供した。今年、NRAが資金を提供した民主党候補はわずか3人だ。

 下院民主党の選挙部門が「Red to Blue」(共和党から民主党へ)リストに挙げた、共和党の議席を奪取できる見込みがある候補者は63人を数える。このうち62人は銃購入における身元調査を拡大すべきだと訴える。これに唯一反対するのがリチャード・オジェダ氏だ。同氏が立候補するウエストバージニア州の選挙区は、2016年にドナルド・トランプ氏が50ポイントの大差で制している。NRAの支援は63人全員が受けていない。

 この変化の背景には、新しい資金や組織だけでなく、民主党の活動家や有権者の間で高まるエネルギーがある。その勢いに押された候補者は、党の支持勢力と意見のズレがあると思われないよう立場を変えることを余儀なくされている。

 「長い間、流れはかなり一方的だった。その反動が起きているのだ」とティム・ライアン下院議員(民主、オハイオ州)は指摘する。ライアン氏は以前、NRAから「A」ランクを得ていたが、2016年に「D」に格下げされた。2018年はまだ評価が出ていない。

 こうした転換は、民主党が幅広い問題で左派寄りにシフトする動きの一環でもある。民主党の有力候補の多くは、単一支払者医療保険制度(政府機関が保険料を徴収して医療費を支払う国民皆保険)の創設や、移民税関捜査局(ICE)の撤廃を訴えながら選挙戦を戦っている。

 こうしたシフトは民主党の牙城とされる地盤ではうまく機能するだろう。また世論調査や最近の選挙結果から推察すると、銃に関する方針転換は、民主党が下院を奪還するのに必要な都市郊外の選挙区でも有権者にアピールする可能性がある。

 一方、共和党の支持基盤である地方の選挙区では銃文化が深く根づいており、勝利につながる十分な票を民主党が獲得できる公算は小さい。今も親NRA派のごく少数の民主党議員は、銃規制の法制化を目指す考えで党内がまとまれば、自分たちの選挙区では裏目に出る可能性があると警戒感を示す。

 「極論に走って有権者を遠ざけるのは、政党としてあり得ない」とヘンリー・クエラー下院議員(テキサス州)は話す。同氏は今年NRAの選挙資金を受け取る3人の民主党候補のうちの1人だ。「11月の中間選挙をにらむ時期だからなおさらだ」

 クエラー氏は「反NRA」を鮮明にすることは、自分のような民主党議員には助けにならないとこぼす。同氏の地盤はテキサス州中部の都市サンアントニオからメキシコ国境沿いの人口のまばらな地域に広がっている。

 銃規制を訴えるロビー団体は現在、NRAの軍資金に対抗できる十分な資金力を持つ。元ニューヨーク市長で資産家のマイケル・ブルームバーグ氏に負うところが大きい。その結果、米国の政治情勢は以前にも増して二極化の様相が強まった。候補者はNRA支持または銃規制派に分かれ、主要政党にはその中間の立場を認める余地がない。

 銃規制推進団体マムズ・デマンド・アクションは、2012年にコネティカット州ニュータウンで発生したサンディフック小学校の銃乱射事件(1年生20人を含む26人が死亡)を受けて結成された。現在、主にブルームバーグ氏から資金援助を受けている。同団体は今年、民主党から立候補した571人に対し、銃暴力への意識が高い候補者だと認定した。共和党候補は19人にとどまる。

 下院で昨年、NRAの支援する法案(州発行の銃携行許可証を持つ者は国内どこでも武器を持ち歩けるようにする内容)の採決が行われた際、民主党議員で賛成票を投じたのは6人のみだった。2011年には同様の法案を43人の民主党議員が支持していた。

 NRAの広報担当者ジェニファー・ベイカー氏は、「法を順守する国民の憲法上の権利に対する攻撃」と呼ぶべきものによってNRAの支持者が勢いづいたと指摘。一方で、銃規制を支持する有権者が「本当に投票するかどうかは誰にも分からない。投票行動には実績がない」と述べた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが共同で実施した6月の世論調査で、民主党支持者は銃規制を医療保険制度に次ぐ2番目に重要な政治的テーマに挙げた。一方、共和党支持者の間では銃問題が5位だった。経済、税金、移民、トランプ氏への支持がそれを上回っていた。

 銃規制強化を唱えるクリス・マーフィー上院議員(民主、コネティカット州)は「2018年は、この問題でわれわれ側の一致団結した思いが相手側を上回る最初の年になるかもしれない」と述べた。

 民主党候補者は、3月にペンシルベニア州第18選挙区で行われた下院補欠選挙に勝利した同党のコナー・ラム氏の後に続こうとしている。2016年にトランプ氏が20ポイント差で制した選挙区だが、銃購入者への身元調査を支持する考えをテレビCMで繰り返し訴えた結果、ラム候補が勝利を手にした。

 11月の中間選挙で民主党が過半数を奪還すれば、1994年に攻撃用武器が禁止されて以来となる本格的な銃規制論議がスタートするのは必至とみられる。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

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