ジャクソンホール会議(会合)って何?どこで誰が話し合うの?

ジャクソンホール

今年、2017年のジャクソンホール会議(会合)は8月24~26日の日程で開催されますが、

  • ジャクソンホール会議って何?
  • どこで誰が何について話し合うの?
  • 何でこんなに注目されているの?

私自身がジャクソンホール会議についてよく分からなかったので自分で調べて分かりやすくまとめました。是非読んでみて下さい。 

目次



ジャクソンホール会議(年次経済シンポジウム)とは?

ジャクソンホール は、アメリカ合衆国ワイオミング州北西部に位置する谷。また、谷に位置する唯一の都市であるジャクソン市を指してジャクソンホールと呼ぶこともあります。
 ※「Jackson Hole」の「Hole」は「谷」であり、コンサートホールの「Hall」と勘違いされている方が多いようですが違います。

その「ジャクソンホール」にて開催される年次経済シンポジウムのことを「ジャクソンホール会議(会合)」と呼んでいます。

ジャクソンホール

出典:Google

ジャクソンホール会議(会合)では誰が何について話し合うの?

「ジャクソンホール会議」は、毎年、アメリカのカンザスシティー連邦準備銀行が主催し招待客しか参加できません。1978年から開催されている歴史あるイベントで、世界各国から中央銀行総裁・政治家・学者・評論家など約150名が集まり金融政策問題について非公開で議論します。

会場は、グランドティトン国立公園の中にあり気温は26度から13度と8月でも過ごしやすく、アメリカでも避暑地として人気があります。(標高は約1,900メートル)

ジャクソンホール会議(会合)の内容、プログラムは?

通常、ジャクソンホール会議では、FRB議長が冒頭のスピーチをします。

その後の会合の多くでは、学者やエコノミストらが論文を提出し、それに対して質疑応答をするセッションや、パネルディスカッションなどがあるようです。会合が始まる直前まで講演者のリストは毎年公表されないそうです。

各国の中央銀行関係者は、学者の最先端の見解を聞いて自国の政策運営を考える糧にしているようで、一言で言うと、ジャクソンホール会議は「アカデミックな議論の場」と言う感じのようです。

服装はネクタイを締めず、ポロシャツなどカジュアルな服装の人が多く、休憩時間は雑談をしたり和やかな雰囲気のようです。

ジャクソンホール会議(会合) 過去の主な出来事

1978年から開催されているジャクソンホール会議ですが、過去においては世界の株式市場、債券、為替市場に影響力のある発言や議論がありました。代表的な出来事としては…、

  • 1998年 FRBグリーンスパン議長 ロシア危機対応策を協議
  • 1999年 日銀 山口副総裁 vs バーナンキ(プリンストン大学教授) 日本銀行バブル対応策をめぐり議論
  • 2010年 FRBバーナンキ議長 量的緩和政策第2弾を示唆 (→後に導入)
  • 2014年 ECBドラギ総裁 金融緩和政策を示唆 (→後に導入)
  • 2016年 FRBイエレン議長 早期利上げを示唆 (→後に決定)

特に、近年はFRB議長やECB総裁から今後の金融政策についてのサプライズ発言があり、ジャクソンホール会議が市場関係者から注目を集めるようになりました。

2010年の「日本の追加緩和決定」に影響を与えたジャクソンホール会議

2010年のジャクソンホール会議では、当時のFRBバーナンキ議長が「経済が減速すればさらなる金融緩和に踏み切る」と突如発言しました。

その場に同席していた、当時の日銀白川総裁は日程を繰り上げ急遽帰国臨時の金融政策決定会合を開き「追加緩和」を決定しました。

その後の記者会見で当時の日銀白川総裁は「私にとってジャクソンホール会議は非常に重要な会議であり、意見交換をすることは大事だ。」と述べ、ジャクソンホール会議でのやり取りが政策決定に影響を及ぼしたことを示唆しました。

このように、ジャクソンホール会議は市場関係者からの注目が高いだけでなく、参加各国の中央銀行幹部にとっては、他国の金融政策に関する考えや意見に触れ議論することで、自国の今後の金融政策を考える場ともなる非常に重要度の高いイベントなのです。

2017年のジャクソンホール会議は8月24~26日の日程で開催

そんな、市場関係者だけでなく各国の中央銀行幹部にとっても注目度の高いジャクソンホール会議ですが、今年、2017年は8月24~26日の日程で開催されます。

既に40年以上の開催歴のあるジャクソンホール会議ですが、当初はそれほど市場から注目されるイベントではありませんでした。しかし、近年になって上記のような出来事、特に、FRBやECBなどの中央銀行総裁による金融政策に関する話題が想定外で発言されることが多く、市場関係者から注目が集まっています。

そして、今年注目されるのは…。

2017年の注目はECBドラギ総裁のユーロ政策発言

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、ジャクソンホール会議で今後の展望についてより明確なシグナルを発するかもしれない。と市場の注目を集めています。

ジャクソンホール会議の講演では、ECBがユーロ圏経済に対する自信を深めていることや、同経済の金融緩和策への依存度低下を示唆するとみられるます。内容によって、ユーロ高がいつまで続くかの予想が出来そうです。

ジャクソンホール会議(年次経済シンポジウム)での講演内容は9月7日に予定されているECB理事会の政策判断の土台になる見込みです。

07月14日 14時13分 DJ-[更新]ECB総裁、ジャクソンホールで政策転換を示唆

 【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、8月に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムで3年ぶりに講演する予定だ。事情を知る関係者が明らかにした。

 この講演でECBがユーロ圏経済に対する自信を深めていることや、同経済の金融緩和策への依存度低下を示唆するとみられる。

 ECBの債券購入プログラムの先行きは、世界市場でくすぶる大きな問題の1つとなっている。同行は現在、12月までの期限で月額600億ユーロ相当の債券を買い入れている。

 ECB当局者らは、同行が9月7日の政策理事会で、債券購入プログラムを来年、段階的に縮小することを示唆する可能性が高いとしている。ジャクソンホール会合はこの政策理事会の約2週間前に開かれる。

 ドラギ総裁が前回、ジャクソンホール会合で講演したのは2014年8月で、ECBの債券購入プログラムの始まりを告げたと見なされている。事情に詳しい関係者は、同じ会合で同プログラムの終わりを告げればまさに「シンメトリー」になると語った。

 ただECB当局者らは、経済指標が予想を下回った場合、スケジュールが変わる可能性もあるとしている。ECBは7月19~20日にフランクフルトで政策理事会を開くが、大きな政策転換を発表することはないと予想されている

 ジェフリーズのエコノミスト、マルセル・アレクサンドロビチ氏は、ドラギ総裁はジャクソンホール会合での講演を利用して、投資家に9月の政策転換の準備をさせることができると指摘した。ECB当局者らは9月にユーロ圏の経済成長率とインフレ率の新たな見通しを示す予定だ。同行は通常、最新の見通しが発表されてからポリシーミックスを変更する。

 ECBが量的緩和縮小に動いた場合、家計と企業の消費と投資を促す同行の支援が減っても、ユーロ圏経済が堅調さを維持できるかどうか試される。

 米カンザスシティー地区連銀が主催するジャクソンホール会合は招待客しか参加できず、世界中の中央銀行総裁やエコノミストが集まり金融政策問題について非公開で議論する。今年は8月24~26日の日程で、会合が始まる直前まで講演者のリストは公表されない。

 ECB当局者らによると、最も可能性の高いシナリオは、同行が来年1月から毎月の債券買い入れ額を100億ユーロ減らすというものだ。これにより、3年前に量的緩和の縮小を開始した米連邦準備制度理事会(FRB)のペースに従うことになる。

 当局者らは、市場が不利な方向に変動し、ユーロ圏経済の回復を妨げることを警戒して、来年1月以降の量的緩和策については公の場では口を閉ざしている。ドラギ総裁が先月、量的緩和の解除が近いことを示唆しただけで、金融市場は混乱し、ユーロはドルに対して急伸した。

 ECBが方向を転換し、景気刺激策の縮小に着手した場合、世界で最も影響力のある2つの中銀の政策の足並みが約4年ぶりにそろうことになる。FRBは14年から量的緩和を段階的に縮小し、15年12月以降、金利を少しずつ引き上げている。ジャネット・イエレンFRB議長は12日、これを続ける意向を示した。

 ECBの債券買い入れ策は、15年初めに始まってからユーロ圏19カ国の経済成長の再活性化に寄与している。しかし、各国の政府を支援する一方で、貯蓄家や年金受給者を傷つけているとして欧州北部の国に批判されている

 ユーロ圏の経済成長が加速しているため、大規模な景気刺激策の必要性は薄れている。域内の失業率は9.3%と、8年ぶりの低水準になっているほか、企業・消費者信頼感指数は金融危機以降で最も高くなっている。

 こうした状況を踏まえ、多くのアナリストはECBが9月か10月の政策理事会で量的緩和に関する今後の方針を発表し、来年初めから段階的な縮小を始めると予想している。
 
 それでも、量的緩和解除を示唆するドラギ総裁の発言が伝わった際には投資家の間に動揺が走ったとみられ、ユーロ圏国債価格は下落している。

 ECBにとってのジレンマは、ユーロ圏の経済成長は加速しているが、同行の真の目標であるインフレ率が依然として低過ぎることだ。6月は1.3%に低下し、2%弱という同行のインフレ目標にはまだ遠い。

 このことを念頭に置いて、一部のECB高官は最近、忍耐を呼び掛けている。ECBのチーフエコノミストを務めるピーター・プラート専務理事は先週、確実にインフレ率が上向くように「安定した政策を継続するべきだ」と述べた。

 ギリシャ銀行(中央銀行)のヤニス・ストゥルナラス総裁は10日のインタビューで、今はまだ政策を転換する時期ではないと語った。

 ECBが近く量的緩和を終了する理由の1つは、来年後半に買い入れるのに十分な債券を見つけるのが難しくなると予想されることだ。購入枠を変更すると、法的にも政治的にも問題が生じる恐れがある。エコノミストらは、超低金利の長期化に伴う金融リスクの増大に対する懸念を募らせている。

出典:Dow Jones

 

【追記】2017年8月17日

2017年ジャクソンホール会議ではECBドラギ総裁はユーロ政策発言無しか?

ECBドラギ総裁のジャクソンホール会議(会合)での発言がECBの資産買い入れ縮小に関する議論の実質的なスタートになるとの期待がここ数週間、市場で高まっていたが、関係筋は「金融政策に関する重要な講演になるとの期待は間違いだ」と指摘した。

08月16日 22時10分 ECB総裁、ジャクソンホールで政策の手掛かり示さず=ロイター 

ロイター通信によると、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでの25日の講演で、金融政策に関する新たなメッセージは打ち出さない。関係筋が明らかにした。

ECBの報道官は、ダイナミックなグローバル経済の促進というシンポジウムのテーマに焦点を当てると説明した。
関係筋は、7月のECB理事会での合意に沿って総裁は政策に関する議論は秋まで控えたい意向と明らかにした。

ドラギ総裁のジャクソンホールでの発言がECBの資産買い入れ縮小に関する議論の実質的なスタートになるとの期待がここ数週間、市場で高まっていた。
しかし関係筋は「金融政策に関する重要な講演になるとの期待は間違いだ」と指摘した。

出典:FXニュースレター

 

【追記】2017年8月18日(8月25日更新)

2017年ジャクソンホール会議 イエレン議長が講演「年内利上げ」の行方に注目

2017年のジャクソンホール会議(会合)では「FRBイエレン議長が25日にジャクソンホールで金融の安定で講演」とFRBから発表がありました。また、米左派系市民団体「フェッド・アップ(Fed Up)」は今年もジャクソンホール会議(会合)に参加する計画とのこと。

昨年のジャクソンホールはイエレン議長が想定通りに中立的な発言にとどまったものの、市場が発言ニュアンスをタカ派的と解釈して会合後にドルが上昇しました。今年はトランプ大統領の迷言でドルショートに傾斜しているだけに昨年と同様、「年内利上げ」とのイエレン発言があればドル買いに一気に為替市場は動くのではとの思惑を呼んでいる。

08月18日 05時35分 イエレン議長が25日にジャクソンホールで金融の安定で講演

FRBは「イエレン議長が25日にジャクソンホールで金融の安定で講演」と発表。

出典:FXニュースレター

08月18日 07時40分 DJ-米左派系市民団体、ジャクソンホールでFRBインフレ目標に異議へ

 米左派系市民団体「フェッド・アップ(Fed Up)」は今年も、カンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開催する年次経済シンポジウムに参加する計画だ。

昨年の同シンポジウムでFed Upは見事な存在感を見せ、米連邦準備制度理事会(FRB)の現職メンバーとの討論会を開くほどだった。

 今年のシンポジウムではインフレ問題についてFRBに異議を申し立てる考えだとしており、著名人を交えながらFRBの2%インフレ目標の妥当性を議論する方針を示している。

出典:Dow Jones

08月24日 20時10分 【FXトピック】タカ派と解釈された昨年イエレン講演 

ロイター通信は8月16日に関係筋の話として「ドラギ総裁はジャクソンホールで新たなメッセージは打ち出さない」と報じ、ECB理事会が過度なユーロ高への警戒感を示しており政策判断はギリギリまで留保されるとの見方を示した。

米ウォールストリートジャーナル(WSJ紙)21日付は「米ジャクソンホールの経済シンポジウムでECBドラギ総裁が量的緩和終了に道筋をつける可能性がある」と報じて21日の海外市場でユーロ買いが強まった。

一方、ジャクソンホール経済シンポジウムのもう一人の主役であるイエレンFRB議長の講演は「金融政策にとって基本的に中立的な発言にとどまるのではないか」とされるが、昨年のジャクソンホールの記憶がドルのショートカバーの買いを誘う。

昨年のジャクソンホールはイエレン議長が想定通りに中立的な発言にとどまったものの、市場が発言ニュアンスをタカ派的と解釈して会合後にドルが上昇したからだ。今年はトランプ大統領の迷言でドルショートに傾斜しているだけに昨年と同様、イエレン発言をドル買いとすべく牽強付のポジション調整が思惑を呼んでいる。

出典:FXニュースレター

 

【追記】2017年8月22日

2017年ジャクソンホール会議でECB総裁の発言に注目集まる

ECBは今後の対応に細心の注意を払うとみられる。そうした印象は7月分の理事会議事録で強まった。議事録では、理事らがテーパリング観測を受けたユーロ高を懸念し、テーパリングが近いうちに始まり急ピッチで出口に向かうと投資家が結論づけかねないシグナルを送ることに慎重になっている様子が示された。今年、2017年のジャクソンホール会議ではECBドラギ総裁がどんなことを話すのか注目が集まっています。

8月16日の上記報道では、関係筋からジャクソンホール会議では「金融政策に関する新たなメッセージは打ち出さない」との話がありましたが、想定外の発言も考えられるため、ジャクソンホール会議には大きな注目が集まっています。

08月21日 14時35分 DJ-【焦点】ECB総裁、ジャクソンホール会合でQE終了に道筋か

米カンザスシティー地区連銀が毎年8月にワイオミング州ジャクソンホールで開催する年次経済シンポジウムはこの10年、中央銀行幹部が金融危機下で新たに導入する複雑な政策を発表・説明する舞台となってきた。連邦準備制度理事会(FRB)が注目される場合が多いが、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁など他の中銀がスポットライトを浴びることもある。
 
 今回は、ジャクソンホール会合で2014年以来の講演に臨むドラギ総裁が注目の的となりそうだ。
 
 ドラギ総裁は14年の会合で、低下傾向のインフレ率を反転させるため必要に応じて「あらゆる利用可能な手段」を用いると言明し、国債買い入れ策の導入に向けた地ならしを行った。FRBが国債買い入れを開始してから6年後のことだった。
 
 当時の会合は、量的緩和(QE)として知られる国債買い入れの必要性を理解するための枠組みをドラギ総裁が示す場となった。今週の講演も当時と同じように、総裁が「証拠」を再検証し、18年中の買い入れ終了を正当化する根拠を示す機会になるとECBウォッチャーはみている。
 
 ドラギ総裁にとって、一連の政策には成長押し上げ効果があったほか、14年の講演で取り上げた問題への対応に進展の兆しが見られるようだ。後者の中で特筆すべきは失業率の大幅な低下だ。ユーロ圏では6月の失業率が9.1%と、09年2月以来の低水準となった。失業率が11.5%だった14年8月から失業者数は370万人減った。
 
 経済成長も力強さを増している。ユーロ圏経済は14年6月までの1年間に1.1%成長したが、その3年後には2.2%に成長率が上向いた。
 
 ECBのインフレ目標(2%弱)も達成に向けて幾らか前進している。ユーロ圏の14年7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比0.4%にすぎなかったが、今年7月には同1.3%に回復した。
 
 BNPパリバのエコノミスト、ドミニク・ブライアント氏は、それでも「ドラギ総裁は金融政策による支援がまだ必要だというメッセージを発信しようとするだろう」との見方を示した。
 
 ECBはこれらを踏まえた上で、18年中の緩和策終了への布石を打ち始めている。ドラギ総裁は7月の記者会見で「今秋」、すなわち9月7日か10月26日の理事会で債券買い入れ策への対応を決めると述べた。ECBウォッチャーの多くは今年12月に期限切れとなる債券買い入れについて、毎月の買入額が現在の600億ユーロから減額された上で来年まで延長されると予想している。一方、買い入れの具体的な終了時期やテーパリング(段階的縮小)の方法についての見方は割れている。テーパリング観測を背景にユーロは他の主要通貨に対して上昇している。
 
 ECBは今後の対応に細心の注意を払うとみられる。そうした印象は7月分の理事会議事録で強まった。議事録では、理事らがテーパリング観測を受けたユーロ高を懸念し、テーパリングが近いうちに始まり急ピッチで出口に向かうと投資家が結論づけかねないシグナルを送ることに慎重になっている様子が示された。
 
 欧州の景気回復はECBによる債券買い入れだけでは説明がつかない。14年の時点ではユーロ圏の経済政策に明らかに矛盾している点があった。ECBが経済成長やインフレを押し上げるために緩和策を実施する一方、ユーロ圏各国政府は財政赤字の縮小に取り組み、逆に引き締め効果をもたらしていた。
 
 14年のドラギ総裁の講演は事実上、全ての加盟国に足並みをそろえさせるための訴えだった。そしてそれはある程度成功した。金融政策と相反する財政政策は影を潜め、現在は両者が共同歩調を取っている。国際通貨基金(IMF)はユーロ圏の経済政策に関する年次報告で、今年の域内財政が「やや拡張的」なものになると指摘した
 
 もっとも、ドラギ総裁が加盟国に訴えたのは財政運営の見直しにとどまらなかった。構造改革も求めたのだ。構造改革面での進展は遅いとIMFは結論づけている。
 
 ドラギ総裁は、財政出動や金融緩和をどれだけ実施しても、ユーロ圏に必要な構造改革の代わりにはならないと指摘している。総裁が具体的に求めているのは、従業員の雇用・解雇に関する費用負担の大きさや手続きの煩雑さの原因となっている法制度の改正だ。スペインは12年に労働法を改正した。フランスとイタリアではドラギ総裁の訴えにもかかわらずあまり進展が見られないが、エマニュエル・マクロン仏大統領は9月に労働法改革に着手する考えを示している。

 マクロ経済面でもまだやるべきことがある。14年にドラギ総裁を本当に警戒させたのは、低インフレではなく、将来の期待インフレ率が大きく落ち込んでいる兆候だった。総裁は14年の講演で債券投資家の予想するインフレ率に言及したが、その水準はECBの中期的な目標値に近かった。それが現在では、インフレ率が目標値を下回り続けると予想されている。
 
 別の指標では、消費者の景況感が上向いていることがうかがえるものの、金融危機前に一般的だった水準ほどは高まっていない。
 
 そのため、ドラギ総裁は緩和策を縮小できるほどの進展はあったと強調するかもしれないが、同時に、債券買い入れなどの成長支援策はすぐには撤回しないと警告することで、メッセージ全体のトーンを弱めると考えられる。米国と同様、欧州での政策正常化も非常にゆっくりしたペースで進みそうだ。

出典:Dow Jones

 

【追記】2017年8月24日

23日講演は空振り ジャクソンホール会議でのECB総裁講演に一層注目集まる

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は23日、ドイツ南部の経済会合で講演したが、目の前の金融政策に関する話題はおおむね避けた。それにより、25日に行われるジャクソンホール会議(会合)の講演では、現行の金融政策により踏み込んだ発言が飛び出す可能性があり、市場の注目をより一層集めています。

08月23日 18時14分 DJ-ECB総裁、金融政策への言及回避 次の注目はジャクソンホール

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は23日、ドイツ南部の経済会合で講演したが、目の前の金融政策に関する話題はおおむね避けた。

 集まったノーベル賞受賞者らを前に、ドラギ氏はフォワードガイダンス(金融政策の先行きの手掛かり)や量的緩和の活用を裏付けているのが研究だと述べた。「大量の実証研究が、ユーロ圏でも米国でも経済やインフレを支える上でこれらの政策が成功することを証明した」とし、この日の聴衆を「天才たち」と呼んだ。

 ドラギ氏は25日、米カンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開催する年次経済シンポジウムで講演する予定。この場では現行の金融政策により踏み込んだ発言となる可能性があり、市場の注目を集めている。

出典:Dow Jones

 

【追記】2017年8月25日

ECBドラギ総裁講演ではユーロ高けん制発言あるか?なければユーロ高再燃か?

日本時間25日の28時(26日午前4時)に行われることが決定したECBドラギ総裁のジャクソンホール会議(会合)の講演は、欧州時間では金曜の夜に当たるが、わざわざ予定を調整して注目するほどの価値はないかもしれないと一部のアナリストはみている。

HSBCは「われわれの見方では、どの発言もタカ派の投資家にとっての手掛かりというより、さらなるユーロ高の阻止を意図したものになるだろう」と述べた。

08月24日 20時27分 DJ-【市場の声】ECB総裁発言、週末の予定変更して見守る価値は?

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は25日、米カンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開催する年次経済シンポジウムで講演する。欧州時間では金曜の夜に当たるが、わざわざ予定を調整して注目するほどの価値はないかもしれないと一部のアナリストはみている。

 HSBCのアナリストらは24日「ドラギ総裁が短期的な金融政策見通しについて何か新しい発言をする公算は小さい」との考えを示した。

 だがECBが9月に開く政策理事会では、ドラギ総裁がこの話題を完全に避けることができないだろうと指摘した

 HSBCは「われわれの見方では、どの発言もタカ派の投資家にとっての手掛かりというより、さらなるユーロ高の阻止を意図したものになるだろう」と述べた。

出典:Dow Jones

08月24日 17時43分 DJ-【市場の声】ジャクソンホール会議、サプライズの期待も 

米カンザスシティー地区連銀が24日からワイオミング州ジャクソンホールで開催する年次経済シンポジウムで、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は極めて緩和的な金融政策の解除時期について話すことを控えるかもしれない。

 それでもバーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)のアナリストらは、ジャクソンホール会議関連のニュースに注目する価値があるとしている。

 アナリストらは「(米連邦準備制度理事会=FRBの)ジャネット・イエレン議長やドラギ総裁から重要な発言を誰も期待していないとしても、ジャクソンホール会議はいつもサプライズにふさわしい」と述べた。

出典:Dow Jones

08月25日 13時30分 [フォーカス] ジャクソンホール会合のポイントは イエレン米FRB議長、ドラギECB総裁、タカ派・ハト派どちらに 何か言っても何も言わなくとも外国為替市場は一波乱あるか

ジャクソンホール会合では、日本時間25日午後11時からイエレンFRB議長が、26日午前4時からドラギECB総裁がそれぞれ講演を行う。どのような発言になるか、当面の最大の焦点となる。マーケットでは、ともに現状認識を示すにとどまり、具体的に金融政策を方向づけるような手掛かりを与えないのではないかとの指摘もあるが、改めてポイントを考える。

●イエレンFRB議長

イエレンFRB議長の講演のテーマは「金融の安定」。金融政策の正常化という観点から年内の利上げの正当性を示唆する可能性は否定できないという。一方で、低インフレの中でFOMC内で今後の利上げ時期を巡り意見相違が目立っている。その議論を尊重する形でイエレン議長が利上げ時期の発言は控えることも考えられる。ともにありそうなシナリオながら、外国為替市場では前者の場合、ドル買い、後者ならドル売りの反応が予想される。しかし、トランプ米政権の政策運営を巡る懸念が払しょくできない以上、イエレン議長が今回の講演で年内に追加利上げしたいとの気持ちをにじませることがあっても、ドル買いという環境が続くとは考えにくいとの見方が少なくない。

●ドラギECB総裁

2017年末まで月額600億ユーロの資産買入を続ける「資産購入プログラム」の減額に関する発言が注目されている。ドラギ総裁は7月の理事会で「討議は秋に実施する」と発言しており、ジャクソンホール会合で新たなメッセージを発信することは考えにくいとの見方が一般的。一方で、7月のECB理事会議事要旨で今後ユーロ高が過度に進む事態に懸念を表明していたことが明らかになっているため、最近のユーロ相場についてどのような見解を示すかが注目される。ユーロ高を懸念した場合は、現在積み上がっているユーロロング(買い持ち)を解消する動きが強まる可能性がある。しかし、ユーロ高に不快感を示さず何ら言及しなかった場合は「足元のユーロ高を容認した」と、マーケットは都合よく解釈してユーロ買いに拍車がかかることも否定はできない。

●イエレンFRB議長、ドラギECB総裁

米、ユーロ圏ともに金融政策の変更が必要な環境になりつつあるが、それが今なのか、もっと先なのか、判断は容易ではない。今回の講演で、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、両者ともタカ派・ハト派どちらに傾くか予想が難しい、と市場関係者は指摘している。また、マーケットが期待しているようなことを何か言っても、何も言わなくとも一波乱はありそうな雰囲気もある。もっとも、その場合は短期的な動きか。

出典:FXニュースレター

 

【まとめ】ジャクソンホール会議(会合) 2017年の注目はFRB議長とECB総裁講演

ジャクソンホール会議(年次経済シンポジウム)は、アメリカのカンザスシティー地区連銀が毎年8月にワイオミング州ジャクソンホールで開催するイベントで、この10年、中央銀行幹部が金融危機下で新たに導入する複雑な政策を発表・説明する舞台となってきました。

近年では、

  • 2010年 FRBバーナンキ議長 量的緩和政策第2弾を示唆 (→後に導入)
  • 2014年 ECBドラギ総裁 金融緩和政策を示唆 (→後に導入)
  • 2016年 FRBイエレン議長 早期利上げを示唆 (→後に決定)

特に、ECBのドラギ総裁は、2014年に金融緩和政策を示唆し、後に導入をしています。

今回の2017年は、そのジャクソンホール会議で2014年以来の講演に臨むECBドラギ総裁に再び注目が集まりそうです。関係筋によると、ドラギ総裁はジャクソンホール会議では「金融政策に関する新たなメッセージは打ち出さない」との話ですが、サプライズ発言も考えられるため、ジャクソンホール会議には大きな注目が集まっています。

もう1つの注目は、FRBイエレン議長の金融の安定性に関する25日午前の講演です。イエレン氏がFRB議長としてジャクソンホールで講演するのは今年が最後になるかもしれないため期待が高まっています。注目は「年内利上げ」の行方です。市場では「年内利上げ」の判断見通しが立たず憶測が広まっているだけに、今回の講演で「年内利上げ」の「あり」「なし」が発表されるのでは?と期待が高まっています。

 

【追記】2017年8月25日

【講演時間決定】日本時間23時と28時にFRB議長とECB総裁講演

本日8月25日のジャクソンホール会議(会合)では、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長とドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁による講演に関心が集まっています。注目の開催時間は、

  • 25日23:00(日本時間) イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長講演
  • 25日28:00【26日AM4時】 (日本時間) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演

明確な金融政策のシグナルは送らないとの見方もありますが、サプライズ発言から急な相場変動の可能性もあるため最後まで気を抜けません。

 

【追記】2017年8月26日

【速報】ジャクソンホール会議講演 イエレンFRB議長「年内利上げ」発言無し

ジャクソンホール会議(会合)でのイエレンFRB議長講演での発言内容をまとめました。

  • 金融規制、いかなる変更も「緩やか」であるべきだ
  • FRBの2大責務、「著しい進展」が達成された
  • ボルカー・ルール、一部簡素化に利点ある可能性も
  • 行き過ぎた楽観、「遅かれ早かれ」戻ってくるリスク

FRBイエレン議長「年内利上げ」発言無く ドル全面安へ

注目されたイエレン議長によるジャクソンホール会合の講演で、金融政策に関する踏み込んだ発言がなかったことからドルが対主要通貨で急落。ドル円は米債利回りの大幅低下に伴い109円84銭付近から一転して109円11銭付近まで下押し。

対照的にユーロドルは1.1884付近まで、ポンドドルは1.2886付近まで上昇し、豪ドルドルも0.7953付近まで水準を切り上げそれぞれ本日高値を更新するなど、ドル全面安の様相となっている。

0時56分現在、ドル円109.264-274、ユーロ円129.735-755、ユーロドル1.18734-742で推移している。 

年内利上げやサプライズ発言もなくFRBイエレン議長講演は終了

2017年のジャクソンホール会議の注目となっていたFRBイエレン議長の講演ですが、市場では「年内利上げ」の判断見通しが立たず憶測が広まっていただけに、今回の講演で「年内利上げ」の「あり」「なし」が発表されるのでは?と期待が高まっていました。

しかしながら、注目の「年内利上げ」に関する発言は無く、事前に予想されていたとは言え 明確な金融政策のシグナルも一切なく、期待されていたサプライズ発言もなしで、市場はドル全面安へと反応しました。

もっとも、今回の場合は短期的な一過性の動きで、ドル安トレンドが決まったわけではありません。

今後のドル円の動きは、引き続き、FRBの年内利上げについてや、北朝鮮リスク、トランプ大統領関連のニュースによっての動きが予想されます。

 

【追記】2017年8月26日

【速報】ジャクソンホール会議講演 ドラギECB総裁発言「何も無し」でユーロ高へ

ジャクソンホール会議でのドラギECB総裁講演での発言内容をまとめました。

  • 世界的な景気回復は堅調に推移
  • 欧州圏の景気回復は米国より早い段階にある
  • 緩い規制は金融政策緩和時に不均衡をもたらしかねない

ECBドラギ総裁発言 ユーロ高けん制なくユーロ高1.1941へ上昇

 イエレン議長に続きドラギECB総裁の講演でも金融政策への言及はなく、一部で懸念されていたユーロ高をけん制する発言もなかったことからユーロ買いが進展。

ユーロドルは2015年1月以来となる1.1941付近まで続伸、ユーロ円が130円40銭付近まで上値を拡大したほか、ユーロポンドは0.9270付近まで急騰。

一方、ドル円は手掛かり材料難の中、方向感を欠いており、109円30銭前後で小幅な値動きとなっている。5時03分現在、ドル円109.313-323、ユーロ円130.288-308、ユーロドル1.19191-199で推移している。

ECBドラギ総裁 ユーロ経済の量的緩和に関する今後の方針発表も無し

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、ジャクソンホール会議で今後の展望についてより明確なシグナルを発するかもしれない。と市場の注目を集めていましたが、結局は何もありませんでした。

ECBの資産買い入れ縮小に関する議論の実質的なスタートになるとの期待がここ数週間、市場で高まっていましたが、関係筋からの事前の情報「金融政策に関する重要な講演になるとの期待は間違いだ」との通りの結果でした。

HSBCは「われわれの見方では、どの発言もタカ派の投資家にとっての手掛かりというより、さらなるユーロ高の阻止を意図したものになるだろう」と述べていましたが、結局のところ「ユーロ高けん制」発言もありませんでした。

ユーロ高に不快感を示さず何ら言及しなかった場合は「足元のユーロ高を容認した」と、マーケットは都合よく解釈してユーロ買いに拍車がかかることも否定はできない。との事前予想がありましたが、その通り、市場はユーロ高に反応。ユーロドルは2015年1月以来となる1.1941付近まで続伸、ユーロ円が130円40銭付近まで上値を拡大したほか、ユーロポンドは0.9270付近まで急騰しました。

結局のところ、事前予想通り、サプライズ発言もなく「何も言わない」で講演は終了しました。

もっとも、今回の場合は短期的な動きで、ユーロ高が再燃したとは言えないでしょう。今後のユーロの動きは、ドルやポンドの動きを見ながらの連動が予想されます。

 

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