なぜ?フロリダ銃乱射事件後にアメリカで銃規制強化が活発化している?

銃規制

アメリカのフロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件を受けて、政治指導者の間では銃規制強化を求める声が再び強まっています。

なぜ?フロリダ銃乱射事件後にアメリカで銃規制強化が活発化しているのか?理由をまとめました。



史上最悪の銃乱射事件

この6年間を振り返ると、ラスベガスの野外コンサート会場ラスベガス銃乱射事件。ホテル上層階からコンサート会場へ銃乱射)、オーランドのナイトクラブ、コネティカット州の小学校と、現代史上最悪の銃乱射事件が3件あったが、連邦議会での銃規制強化の取り組みはすべて不発に終わっている。各州議会では多くの場合、銃保有の権利拡大法案が承認されている。

最近ではウェストバージニア、カンザス、ミズーリなど12州で、当局の許可がなくても人前にさらさなければ拳銃を携帯することを認める法案が成立している。銃規制支持団体「銃による暴力防止のためのギフォーズ法センター」によると、これら12州以外に少なくとも19州で許可なし拳銃携行法案が審議中である。

銃規制擁護派の主張とは?

銃規制擁護派は、学校施設を含め公共の場所での銃携行規制を緩和すれば、意図しない発砲や争い事のエスカレートによる発砲が起きる危険性を高め、公共の安全を危うくすると主張する。規制支持派はまた、銃を携行する一般市民は危険な状態になった場合、正確に発砲できないことが多いと訴える。

法律専門家らは、多くの州で大掛かりな銃規制法案を可決できなかったり、上程できなかったりするのは、主として銃保持擁護派が動員を掛け、銃規制に反対する団体「全米ライフル協会(NRA)」が影響力を行使するためだと話す。また、連邦議会や州議会の選挙では、銃保持の権利への支持を表明するためだけに投票所に足を運ぶ有権者は、銃規制支持者よりも多いと指摘する。

選挙と銃規制の関係…?

「銃規制の問題だけに注目する銃保持支持の有権者はたくさんおり、選挙で選ばれる議員は彼らを恐れている」。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のアダム・ウィンクラー教授(法学)はそう話す。ウィンクラー氏は、「多くの人は、銃規制に踏み切れば銃保有の全面禁止につながると確信している」とし、それが銃規制を支持する連邦・州議会選挙の候補者にとって大きな課題となっていると語る。

 NRAは長年にわたり、州議会の銃規制法案をめぐる争いで、銃保持支持派に資金を提供するとともに、「スタンド・ユア・グラウンド法(正当防衛法)」の提出など、銃保有の権利拡大の動きを推進してきている。正当防衛法とは、何者かに襲われた場合に致死性の武器を使用できる余地を拡大するものだ。NRAの広報担当者はコメントを拒否した。

銃規制の歴史

確かに、2012年にコネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で発生した銃乱射事件以降、一部の地域で草の根の銃規制運動が盛んとなり、銃保有の権利拡大が抑えられてきた。これにより、一部の州で身元調査の強化などが実施された。

銃規制団体エブリタウン・フォー・ガン・セーフティーの法務副部長を務めるジョナス・オランスキー氏は、州議会での勢いが、DV加害者の銃所持に関する連邦レベルの動きを後押しすることを期待するとしたものの、銃規制に関する大がかりな法律が連邦レベルで制定されるとは思っていないと付け加えた。
  
米国では、昨年12月に「他人に見えないように銃を携帯するための相互主義法案(Concealed Carry Reciprocity Act)」が連邦下院を通過したことを受け、各州が定めたさまざまな銃規制法がとりわけ重要になっている。それは、ある州で人前に出さずに銃を携帯することが法的に認められている者は、他の49州でも携帯できるとするものだ。
   
一部の銃規制支持派の活動家は、州議会での行き詰まり状態を回避するため、銃に関する法律の範囲を制限する方法として、住民投票に着目している。16年には、ネバダ州の有権者が住民投票で身元調査の範囲を個人間の銃販売に拡大させた。これは、同州のブライアン・サンドバル知事が13年にこれと似た法案に拒否権を発動したことを受けた動きだった。

フロリダ銃乱射事件後にアメリカで銃規制強化が活発化

銃規制支持派は、フロリダ州の銃乱射事件を受けて、「警告法案(red flag laws)」の成立に向けた運動にも新たに力を入れている。これは、ある人が危険の前兆をみせた場合に、その人の家族や法執行当局者が、銃所持の一時的な禁止を裁判所に申し立てられるようにするものだ。カリフォルニアとインディアナを含む5州は同様の法案を成立させている。それ以外の18州は同様の法案を審議中だ。

米で銃保持の権利拡大すすむ、乱射事件続発でも 

 米フロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件を受けて、政治指導者の間では銃規制強化を求める声が再び強まっている。ところが、州レベルでは銃保有者の権利拡大の動きが相次いでおり、連邦議会や州議会に提出されている各種の銃規制強化法案の前途は多難である。

 この6年間を振り返ると、ラスベガスの野外コンサート会場、オーランドのナイトクラブ、コネティカット州の小学校と、現代史上最悪の銃乱射事件が3件あったが、連邦議会での銃規制強化の取り組みはすべて不発に終わっている。各州議会では多くの場合、銃保有の権利拡大法案が承認されている。

 最近ではウェストバージニア、カンザス、ミズーリなど12州で、当局の許可がなくても人前にさらさなければ拳銃を携帯することを認める法案が成立している。銃規制支持団体「銃による暴力防止のためのギフォーズ法センター」によると、これら12州以外に少なくとも19州で許可なし拳銃携行法案が審議中である。

 一方、ノースダコタやジョージアなどの州では最近、銃保持者に対し、公園やコンサート会場、バー、教会などに銃器を携行する権利を与える法案が通過している。公共の場所での銃器携行を認める州の数は増加している。 

 さらに学校や大学への銃の持ち込みを認める法案を審議中の州は少なくとも22に達している。テキサス州などでは、銃保有の資格を持った者は、人前にさらさなければ公立大学の教室や寮などで拳銃を携帯できるようになっている。オクラホマ州は、訓練プログラムを受けた小中高の特定の教師や職員が、校内で拳銃を携帯できる法案を2015年に承認した。

 アイオワ州の新法では、14歳未満の子供でも成人が監視していれば銃器を保有することが許され、また裁判所や市庁舎での銃携行規制が緩和された。

 銃保有の権利を唱えるデンバー大学のデービッド・コペル教授(法学)は、フロリダ州の銃乱射事件について、学校への銃持ち込み規制の緩和を求めて各州で審議中の各種法案を後押しするだろうとの見方を明らかにした

 「人々は必ずしもPTAの会合に全員が銃を携行するのを望んでいるわけではない」。コペル氏はそう断った上で、さらに続けた。「だが追加の訓練を受け、当局から特別許可を得た教師が銃を携帯することについては、賛同する人がますます増えている」

 銃規制擁護派は、学校施設を含め公共の場所での銃携行規制を緩和すれば、意図しない発砲や争い事のエスカレートによる発砲が起きる危険性を高め、公共の安全を危うくすると主張する。規制支持派はまた、銃を携行する一般市民は危険な状態になった場合、正確に発砲できないことが多いと訴える。

 法律専門家らは、多くの州で大掛かりな銃規制法案を可決できなかったり、上程できなかったりするのは、主として銃保持擁護派が動員を掛け、銃規制に反対する団体「全米ライフル協会(NRA)」が影響力を行使するためだと話す。また、連邦議会や州議会の選挙では、銃保持の権利への支持を表明するためだけに投票所に足を運ぶ有権者は、銃規制支持者よりも多いと指摘する。

 「銃規制の問題だけに注目する銃保持支持の有権者はたくさんおり、選挙で選ばれる議員は彼らを恐れている」。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のアダム・ウィンクラー教授(法学)はそう話す。ウィンクラー氏は、「多くの人は、銃規制に踏み切れば銃保有の全面禁止につながると確信している」とし、それが銃規制を支持する連邦・州議会選挙の候補者にとって大きな課題となっていると語る。

 NRAは長年にわたり、州議会の銃規制法案をめぐる争いで、銃保持支持派に資金を提供するとともに、「スタンド・ユア・グラウンド法(正当防衛法)」の提出など、銃保有の権利拡大の動きを推進してきている。正当防衛法とは、何者かに襲われた場合に致死性の武器を使用できる余地を拡大するものだ。NRAの広報担当者はコメントを拒否した。

 確かに、2012年にコネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で発生した銃乱射事件以降、一部の地域で草の根の銃規制運動が盛んとなり、銃保有の権利拡大が抑えられてきた。これにより、一部の州で身元調査の強化などが実施された。
 
 近年、25の州がドメスティックバイオレンス(配偶者やパートナーからの暴力=DV)の加害者による銃所持を制限する法律を制定したが、この取り組みは党派を超えた支持を得ている。当時のボビー・ジンダル・ルイジアナ州知事、ニッキー・ヘイリー・サウスカロライナ州知事(現国連大使)や、クリス・クリスティ・ニュージャージー州知事などの共和党の州知事はいずれも、DVで禁止命令や有罪宣告を受けた人による銃火器の入手を制限する法案に署名した。
 
 銃規制団体エブリタウン・フォー・ガン・セーフティーの法務副部長を務めるジョナス・オランスキー氏は、州議会での勢いが、DV加害者の銃所持に関する連邦レベルの動きを後押しすることを期待するとしたものの、銃規制に関する大がかりな法律が連邦レベルで制定されるとは思っていないと付け加えた。
 
 米国では、昨年12月に「他人に見えないように銃を携帯するための相互主義法案(Concealed Carry Reciprocity Act)」が連邦下院を通過したことを受け、各州が定めたさまざまな銃規制法がとりわけ重要になっている。それは、ある州で人前に出さずに銃を携帯することが法的に認められている者は、他の49州でも携帯できるとするものだ。
 
 同法案の下では、ニューハンプシャー州など銃の所持許可が不要な州で銃を保有する者が、ニューヨーク州など銃の所持が厳しく制限されている州での銃の携帯が法的に許される。
 
 同法案に関する上院での採決はまだ計画されていないが、銃を持つ権利の支持派と反対派の双方とも、この法案の行方が自分たちにとっての今年の最優先課題だと述べている。
 
 NRAは、銃を人前に出さずに携帯する法律が州ごとに異なる状況を変えるためにこの法律が必要だと主張している。一方で、反対派はこの法律が公共の安全を脅かし、全米の銃所持許可の水準を低下させると主張している
 
 一部の銃規制支持派の活動家は、州議会での行き詰まり状態を回避するため、銃に関する法律の範囲を制限する方法として、住民投票に着目している。16年には、ネバダ州の有権者が住民投票で身元調査の範囲を個人間の銃販売に拡大させた。これは、同州のブライアン・サンドバル知事が13年にこれと似た法案に拒否権を発動したことを受けた動きだった。
 
 銃規制支持派は、フロリダ州の銃乱射事件を受けて、「警告法案(red flag laws)」の成立に向けた運動にも新たに力を入れている。これは、ある人が危険の前兆をみせた場合に、その人の家族や法執行当局者が、銃所持の一時的な禁止を裁判所に申し立てられるようにするものだ。
 
 カリフォルニアとインディアナを含む5州は同様の法案を成立させている。それ以外の18州は同様の法案を審議中だ。
 
 ドナルド・トランプ大統領は、銃の所持権利を支持する姿勢を示し、昨年にはロナルド・レーガン元大統領以降で初めて現職大統領としてNRAで演説した。NRAは16年大統領選挙で、NRA史上最も早い段階でトランプ氏への支持を表明した。
 
 トランプ氏は、フロリダ州の銃乱射事件を受けて先週行った演説で、銃に関する法案に言及せず、メンタルヘルスの問題に焦点を当てた。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

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