世界金融危機再び?VIX指数低下にヘッジファンドが警戒

世界金融危機

10年前の2007年8月のヘッジ・ファンド危機、いわゆる「クオンツ地震」では、1週間で一部のファンドの価値が約3分の1まで減少し世界的な金融危機の引き金になりました。

10年前と比べ、伝統的な株式投資家や銀行のトレーディング・デスクの果たす役割がずっと小さくなる一方、莫大な情報量とその的確な分析をもとにクオンツ・ヘッジファンドの役割は大幅に拡大し、市場の動きを読む精度が高まっているのかもしれません。

それが最近のVIX指数が低下している1つの原因なのかもしれません。

近年、西暦の末尾に7の付く年は経済パニック(危機)と夏枯れ相場や株価大波乱の歴史があります。

  • 1987年のNY株式市場「ブラックマンデー」
  • 1997年のタイ・バーツ暴落(アジア通貨危機
  • 2007年BNPパリバ・ショック

2017年は、10年に一度の金融経済危機への警戒感が強まっています。



世界金融危機再び?ヘッジファンドのクオンツの影響でVIX指数が低下

最近のVIX指数低下に関して、「全く不明のことから完全に分かっていることまであらゆる情報が手に入ることでサプライズを招くような事象の数が減るのであれば、ボラティリティーが低下するのは当然だ」と指摘されています。

例えば、ある企業に関する悪材料を耳にした場合、投資家は(株式を)売却するが、複数の情報源から長期にわたってこうした材料が伝えられるのであれば、売りは分散するに違いない。これまでは、企業が決算発表を行った時点で市場が一斉にこれを下げ材料と判断していたため、売りは急速なものとなり、株価のボラティリティーは高まった。

それが確かに、最近のVIX指数が低下している1つの原因なのかもしれません。

07月21日 16時06分 DJ-【コラム】クオンツが生んだ「静かな」株式市場の正体 

「静かだ。静かすぎる」

 西部劇などの映画でおなじみのこのせりふを最近、市場の解説でよく耳にする。つまり、それだけ動意の乏し い相場が続いており、投資家らがこの状況に対し極めて神経質になっているということだ。

 年初から数カ月は株式市場のボラティリティー(変動率)があまりに低く、このため、近いうちに地合いが悪 化するとみるアナリストが一部にいるほどだった。その後、市場はさらに静かになった。

恐怖指数として知られ るシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)で見ると、これまで25回見られた最低水準更新の半分以上が今年5月以降に起きており、7月には30日移動平均も過去最低を記録した。

 VIX指数算出の基となっているオプション市場では、将来の水準が不安定になるという兆しがほとんど見られない。なぜそうなのかについては主に、株式市場の実現ボラティリティーもまた極めて低水準で推移していることが挙げられる。そして、この実現ボラティリティーの低さの背景としては、状況が悪化すれば中央銀行が救済してくれること、そして、最近の経済にはサプライズとなるような材料がほとんど見当たらないことが最も一般的な要因として指摘されている。

 どちらも永久に続くわけではない。ただ、これらと比べると注目度は低いが、市場のボラティリティーを抑制するうえでより大きな持続力を持つと思われる要因が存在する。クオンツ(計量分析に基づく)取引だ。

米調査 会社タブ・グループによると、アルゴリズムを利用した運用を行っているファンドによる取引シェアは過去4年で約2倍に膨らみ、米国株の売買高の25%を超えた。クオンツ取引が成功しているのは、衛星画像やクレジットカード取引、ソーシャルメディアなどから得られる膨大な情報を飛び抜けて優れた計算能力と博士号を有する秀才集団が読み解く、というやり方がその一因となっている。

 企業業績を予想するクラウドソーシング プラットフォーム「エスティマイズ」で、かつて最高経営責任者(CEO)を務めクオンツトレーダーでもあったリー・ドロジェン氏は、「全く不明のことから完全に分かっていることまであらゆる情報が手に入ることでサプライズを招くような事象の数が減るのであれば、ボラティリティーが低下するのは当然だ」と指摘した。

 ある企業に関する悪材料を耳にした場合、投資家は(株式を)売却するが、複数の情報源から長期にわたってこうした材料が伝えられるのであれば、売りは分散するに違いない。これまでは、企業が決算発表を行った時点で市場が一斉にこれを下げ材料と判断していたため、売りは急速なものとなり、株価のボラティリティーは高まった。

VIX指数は現在、10ポイントを割り込んでいる。定量化するのは困難だが、情報の伝わり方が改善したおかげで同指数は優に2ポイント以上は以前より低下しているのではないだろう。

 ただ、この幸福な状況は、それ自体の中に大きな苦境に陥る危険性をはらんでいるかもしれない。情報は増えても、景気循環や地政学的リスクは消滅していない。トレーダーらは低リターンの世界で戦っており、そこでは、パッシブ運用ファンドが支配的であるため誰もが似通った戦略を採用し、同じ統計に基づいたアノマリーに賭けている。しかも、そこではレバレッジを活用する場合が多いのだ。

 ドロジェン氏は、市場にショックが発生した際、このような統計的アービトラージを行う投資家が逃げ出すことはないだろうが、高頻度取引(HFT)のトレーダーは逃げ出すかもしれないと考えている。HFTトレーダーは多くの流動性を提供しており、流動性が枯渇すればコンピューター制御された取引は行われなくなるため、クオンツ取引は一気に市場から逃げ出す恐れが大きい。

 2007年8月のヘッジ・ファンド危機、いわゆる「クオンツ地震」では、1週間で一部のファンドの価値が約3分の1まで減少し、多くの参加者が株式市場の急変を予想したが、システミックな(構造的に拡大する可能性のある)危機は起こらなかった。

10年前と比べ、伝統的な株式投資家や銀行のトレーディング・デスクの果たす役割がずっと小さくなる一方、クオンツ・ファンドの役割は大幅に拡大している。このため、現在が「嵐の前の静けさ」だとすれば、それは単なる「悪い筋書き」どころではないのかもしれない。 

出典:Dow Jones

 

【追記】2017年11月2日

vix指数 最低水準を記録

VIX指数は10月に平均10.13となり、月間ベースで1990年以降の最低水準を記録した。秋は月間ベースで株式市場のボラティリティーが高まる傾向があるものの、今年の市場はこうした流れに逆らっている。また、VIX指数は年平均ベースでも過去最低を更新する勢い。

11月01日 10時13分 DJ-恐怖指数、10月は1990年以降で最低水準を記録

 恐怖指数として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は記録的な低水準が続いている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のマーケット・データ・グループ(MDG)によると、VIXは10月に平均10.13となり、月間ベースで1990年以降の最低水準を記録した。

 秋は月間ベースで株式市場のボラティリティーが高まる傾向があるものの、今年の市場はこうした流れに逆らっている。

 また、VIXは年平均ベースでも過去最低を更新する勢いだ。

出典:Dow Jones

【まとめ】世界金融危機再び?VIX指数低下にヘッジファンドが警戒 

アメリカ株、日本株ともに7月上旬には「七夕天井」を形成しつつ7月後半から8月は「夏枯れ相場」が警戒されます。また、西暦「末尾7の年」の株価波乱のアノマリーに円高・株安局面が警戒されます。

近年、西暦の末尾に7の付く年は経済パニック(危機)と夏枯れ相場や株価大波乱の歴史があります。

  • 1987年のNY株式市場「ブラックマンデー」
  • 1997年のタイ・バーツ暴落(アジア通貨危機
  • 2007年BNPパリバ・ショック

ブラックマンデーは秋ですが、アジア通貨危機は夏、2007年のパリバ・ショックも8月の夏枯れ相場で起きています。7月から8月は市場参加者が夏休みに入るため市場の出来高が縮小し、結果として相場の乱高下になりやすいようです。

2007年8月のヘッジ・ファンド危機、いわゆる「クオンツ地震」では、1週間で一部のファンドの価値が約3分の1まで減少し、多くの参加者が株式市場の急変を予想しましたが、システミックな(構造的に拡大する可能性のある)危機は起こりませんでした。

10年前と比べ、伝統的な株式投資家や銀行のトレーディング・デスクの果たす役割がずっと小さくなる一方、クオンツ・ファンドの役割は大幅に拡大しています。このため、現在が「嵐の前の静けさ」だとすれば、それは単なる「悪い筋書き」どころではないのかもしれません。 

今年2017年も相場の急変動や経済パニック、七夕天井、特に夏から秋にかけての夏枯れ相場やその後のパニック相場には要注意です。

詳しくはこちらの記事を読んでみて下さい。

 → 2017年は10年に一度の経済パニックと大暴落が起こる?
 → 「夏枯れ相場」7月後半から8月。夏の円高、通貨危機に注意

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