FRBがFOMCで年3回の利上げペースを維持する理由

FRB利上げ

イエレン議長は14日の会見で「労働市場は力強く、米経済は良好」と評し「FOMCは年3回の利上げペースを維持する」と強調、「保有資産の縮小に関しては比較的早期の実行が在り得る」と早ければ今秋の資産圧縮を示唆、低インフレ景気息切れ懸念より「金融正常化」を急ぐ姿勢を鮮明にしました。

その理由についてさらに詳しく解説します。



FRBイエレン議長は「FOMCは年3回の利上げペースを維持する」と強調

利上げペース加速や資産圧縮への着手は、インフレ指標の改善や景気指標の回復が見られない限り実現性は乏しい。実際、14日FOMC参加者16人のうち、4人は今回の6月利上げで年内「打ち止め」を予想している。すでに米景気拡大を牽引した新車販売は5ヶ月連続で前年割れ、住宅市場も頭打ちとなり、景気息切れ感が浮上している。

06月15日 23時25分 【Market Winコラム】物価低迷にも「金融正常化」を急ぐFRB

ある外資系証券幹部によれば、1)未だ払拭されない米大統領「ロシアゲート」疑惑、2)トランプ減税(税制改革)やインフラ投資など財政政策の遂行力への疑念、3)債務上限問題による9月の米政府閉鎖への警戒感―等がドルと米長期金利に重石となって圧し掛かるという。

かかる一連の米政治リスクによりFRBの利上げ期待値が6月利上げを含め2018年12月まで「2.5回未満」と大きく後退した。14日公表されたFOMC声明文からも低インフレに対するFRBの慢性的な懸念が伺い知れる。

つまり、利上げペース加速や資産圧縮への着手は、インフレ指標の改善や景気指標の回復が見られない限り実現性は乏しい。実際、14日FOMC参加者16人のうち、4人は今回の6月利上げで年内「打ち止め」を予想している。すでに米景気拡大を牽引した新車販売は5ヶ月連続で前年割れ、住宅市場も頭打ちとなり、景気息切れ感が浮上している。

ところが、イエレン議長は14日の会見で「労働市場は力強く、米経済は良好」と評し、「FOMCは年3回の利上げペースを維持する」と強調、「保有資産の縮小に関しては比較的早期の実行が在り得る」と早ければ今秋の資産圧縮を示唆、低インフレ景気息切れ懸念より「金融正常化」を急ぐ姿勢を旗幟鮮明とした。

これは低インフレや景気息切れ感にも資産バブル未然予防の性急なる「金融正常化」姿勢の旗幟鮮明化に他ならない。それは物価低迷を問われて「携帯電話サービスの価格競争と処方薬の価格低下が物価全体を押し下げた」とし、「特殊要因であり過剰反応しないことが重要」との返答からも伺い知れる。

しかも、FOMCは経済見通しで17年10-12月期のコアPCE(食品エネルギー除く個人消費支出)上昇率を1.7%に下方修正しながら、メンバーのDotsは年内にもう1回の利上げで17年3回、そして18年と19年にそれぞれ3回の利上げシナリオを堅持した。

むろん、低インフレをよそに17年利上げ3回シナリオ堅持には、完全雇用にある労働市場の需給逼迫がある。米5月失業率は16年ぶりに4.3%の低水準に低下、完全雇用の4.6%を下回った。
米ダウ平均はリーマンショック後の安値6470ドル(09年3月)から8年超「上げ相場」を続け14日には2万1391ドルと史上最高値を更新、米景気拡大はこの6月末で8年のロングランに及ぶ。

米金利の低下と低インフレは株式等リスク資産市場には好材料となろうが、セントルイス連銀のFSI(金融ストレス指数)やゴールドマンサックスのFCI(金融環境指数)がすでに過度の緩和状態を示しており、このままではかつて「Conundrum」(謎)を喧伝して漸進主義の利上げに徹したグリーンスパン前議長の「資産バブル」の轍を踏みかねない。

来年2月で任期を終えるイエレン議長にとって、未曽有の量的緩和(QE)で膨らんだ保有資産の圧縮は悲願であり、低インフレや景気息切れ感にも性急な「金融正常化」路線は揺るぎない。

かつて「物価停滞が続けば利上げシナリオを見直す」と公言していた利上げに慎重なハト派の代表ブレイナード理事も朋友ヒラリー女史を破ったトランプ大統領の「利上げ忌避症」を知れば「資産バブル」容認に繋がる漸進主義的「利上げ」には反対しよう。

むろん、そうなるとリスクは9月FOMCでの資産圧縮「前倒し」であり、拙速な資産圧縮が景気腰折れ懸念を強め、米国株は「秋の暴落」アノマリーを警戒せざるを得ないだろう。

出典:FXニュースレター

【まとめ】FRBがFOMCで年3回の利上げペースを維持する理由

イエレン議長は14日の会見で「労働市場は力強く、米経済は良好」と評し、「FOMCは年3回の利上げペースを維持する」と強調、「保有資産の縮小に関しては比較的早期の実行が在り得る」と早ければ今秋の資産圧縮を示唆、低インフレ景気息切れ懸念より「金融正常化」を急ぐ姿勢を旗幟鮮明とした。

米金利の低下と低インフレは株式等リスク資産市場には好材料となろうが、セントルイス連銀のFSI(金融ストレス指数)やゴールドマンサックスのFCI(金融環境指数)がすでに過度の緩和状態を示しており、このままではかつて「Conundrum」(謎)を喧伝して漸進主義の利上げに徹したグリーンスパン前議長の「資産バブル」の轍を踏みかねない。

来年2月で任期を終えるイエレン議長にとって、未曽有の量的緩和(QE)で膨らんだ保有資産の圧縮は悲願であり、低インフレや景気息切れ感にも性急な「金融正常化」路線は揺るぎないようです。

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