FRBバランスシート縮小で円安ドル高の為替相場へ

FRB資産縮小

米FRBは今後バランスシート(資産)縮小を開始するが、日銀の量的・質的金融緩和の堅持に伴い日米のマネタリーベース伸び率格差は日本優位の方向が見込まれる。

これが過度な円高を制御し、量的マネーの供給面ではドルのダブつき回収を通じたドルの下支え要因となる可能性が高く、これにより為替相場は円安ドル高の方向性が見込まれます。

FRBのバランスシート縮小に関してと、ドル円の今後の相場予想に関して詳しく解説します。

 【追記】2018年2月21日 最新のチャートと今後の相場予想を更新しました!

 

【追記】2017年11月2日



■ FRBバランスシート縮小を2017年10月開始

11月1日に米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置くとともに、バランスシートの正常化プログラムは2017年10月に始まり、進行中だと述べた。

FRBは10月から、月額100億ドル(約1兆1200億円)ずつ保有証券を償還させることで資産を縮小開始。バランスシート縮小幅は四半期ごとに100億ドルずつ増え、最終的には500億ドルに引き上げる予定。

【FOMC政策声明】金利据え置き、資産縮小は進行中 

 米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が1日発表した政策判断に関する声明は次の通り。

 FOMCが9月の会合以降に入手した情報は、労働市場が引き続き強さを増し、ハリケーン絡みの混乱にも関わらず、経済活動が堅調な速度で上昇してきたことを示した。ハリケーンは9月の就業者数の落ち込みをもたらしたが、失業率はさらに低下した。家計支出は緩やかなペースで拡大しており、企業の設備投資の伸びには過去数四半期で弾みがついた。ハリケーンの余波でガソリン価格は上昇し、総合的な物価上昇率を押し上げた。ただ食品とエネルギー以外の品目のインフレは引き続き軟調だ。今年は12カ月ベースでみた総合的な物価上昇率と、食品・エネルギー価格を除いた指標の双方が低下し、2%を下回っている。相場に基づくインフレ見通しは依然として低く、調査に基づく長期のインフレ期待には総じてほとんど変わりがない。

 法定の使命に従い、委員会は雇用の最大化と物価安定の促進に努める。ハリケーン関連の混乱と復旧は目先の経済活動、雇用、物価上昇率に影響を及ぼし続けるが、過去の経験は暴風雨が中期的に国家経済の針路を変える可能性が低いことを示唆している。結果的に、委員会は金融政策姿勢の段階的な調整をもって経済活動が適度なペースで拡大し、労働市場の状況はさらに若干強まると引き続き予想している。

 12カ月ベースのインフレは目先、2%を若干下回り続けるが、中期的には委員会の目標とする2%前後に落ち着くとみられる。経済見通しに対する当面のリスクはほぼ均衡しているように思われるが、委員会はインフレの進ちょくを注視する。

 委員会は労働市場とインフレの実情と見通しを踏まえて、フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを1.00~1.25%に据え置くことを決定した。緩和的な金融政策のスタンスは維持し、労働市場環境のさらに若干の改善と2%のインフレへの持続的回復を支持する。

 FF金利の目標水準に対する今後の調整の時期と規模を決めるに当たり、委員会は目標とする最大雇用と2%のインフレに対し、経済の実情と見通しを評価する。この評価では、労働市場環境の尺度やインフレ圧力とインフレ期待の指標、金融および国際情勢に関する諸指標をはじめとする幅広い情報を考慮する。委員会は対称的なインフレ目標に対する実際の進展と予想される進展を注視する。委員会は、経済情勢がFF金利の段階的な引き上げを正当化する形で展開すると予想している。FF金利は当面、長期的に主流となる見通しの水準を下回り続ける可能性が高い。だがFF金利の実際の経路は、今後の指標が示す経済見通しに左右されるだろう。

 バランスシートの正常化プログラムは2017年10月に始まり、進行中だ。

 FOMCの金融政策行動に賛成した委員は以下の通り。ジャネット・イエレン議長、ウィリアム・ダドリー副議長、ラエル・ブレイナード、チャールズ・エバンズ、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ジェローム・パウエル、ランダル・クオールズ。

 出典:Dow Jones

 

【追記】2017年9月22日

2017年9月FOMC政策声明でバランスシート縮小10月開始を発表

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置くとともに、バランスシート縮小を10月から開始することを決めた。

2017年6月の「委員会の政策正常化の原則と計画に関する補遺」で説明したバランスシートの正常化プログラムに着手する。 FRBは10月から、月額100億ドル(約1兆1200億円)ずつ保有証券を償還させることで資産を縮小する。バランスシート縮小幅は四半期ごとに100億ドルずつ増え、最終的には500億ドルに引き上げる。

米FRB、10月にバランスシート縮小開始 年内追加利上げ予想維持 

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)は20日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置くとともに、バランスシート縮小を10月から開始することを決めた。

FRBは10月から、月額100億ドル(約1兆1200億円)ずつ保有証券を償還させることで資産を縮小する。縮小幅は四半期ごとに100億ドルずつ増え、最終的には500億ドルに引き上げる。

 出典:Dow Jones

 

FRBバランスシート(資産)縮小と日銀の量的緩和維持でドル円は円安ドル高へ

米FRBは早ければ9月にもバランスシート縮小(資産縮小)に着手するが、日銀は16日に量的・質的金融緩和を堅持させたことで日米のマネタリーベース伸び率格差は日本優位の方向が見込まれる。過度な円高を制御するほか、日本株は「過剰流動性のラストリゾート」として下支え要因となりやすい。 為替相場は今後、バランスシート縮小により円安ドル高の流れが予想されます。

日米マネタリーベース「逆行再開」が円高制御、FRBがバランスシート縮小(資産縮小)へ

米FRBは早ければ9月にもバランスシート縮小に着手するが、日銀は16日に量的・質的金融緩和を堅持させたことで日米のマネタリーベース伸び率格差は日本優位の方向が見込まれる。過度な円高を制御するほか、日本株は「過剰流動性のラストリゾート」として下支え要因となりやすい。

FRBは米国債について、月当たりの再投資見送り額を当初60億ドルに設定し、その後、月額300億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに60億ドル増やす計画」、「モーゲージ担保証券(MBS)については、再投資の見送り額を40億ドルから始め、月額200億ドルに達するまで1年をかけて四半期ごとに40億ドル増やす、というバランスシートの縮小に着手する方針を表明した。

償還資金の再投資縮小を通じた緩やかなアプローチで、早ければ9月にも政策正常化へのプロセスを開始させる可能性がある。再投資の見送り開始後、「1年かけて」バランスシート縮小を継続していくとなれば、単純にFRBの買い入れ資産に連動するマネタリーベースは前年比での減少トレンドが定着していく。バランスシート縮小は為替相場ではドルの下支え要因となる一方、米国株は流動性相場から業績相場への本格移行に向けた正念場を迎えることになる。

すでにFRBは2014年10月末で、量的金融緩和策(QE)を終了させた。その前後からFRBマネタリーベースの前年比は2013年11月の+39.2%を直近最高として、2015年6月のマイナス転換まで減少傾向が続いている。
同時進行で日銀は量的・質的緩和を強化させたことで、日米マネタリーベースの伸び率格差は日本の増加優位(緩和優位)トレンドが明確化された。同期間中にドル/円は92円から125円方向へと、+33円のドル高・円安が後押しされた実績を有している。

しかし、その後はFRBマネタリーベースの「前年比減」効果の一巡のほか、資産再投資によるバランスシートの横這い化維持、市場混乱や特殊要因などによる資金供給の強化などもあり、FRBのマネタリーベース減少は一服となってきた。同時期に日銀のほうは、前年比での増勢モメンタムが鈍化。日米マネタリーベースの前年比格差は2015年8-9月で「日本優位」がピークアウトとなり、ドル/円は当時の125円前後から2016年6-8月の99円方向まで-27円近いドル安・円高に見舞われている。

 現在も日米伸び率格差の縮小は続いているが、FRBの週間マネタリーベースは最新6月7日週に13週前比(約3カ月前比)で-1.98%(前週は+1.02%)となり、1月4日週以来のマイナス化へと再減少となってきた。52週比(約12カ月前比)でも-1.75%となり、昨年10月の-12%を直近最低としたマイナス幅の縮小と前年比での再増加(=ドル安要因)が一服となっている。

5月24日週の-1.23%などがピークとなる形で、緩やかな減少と絞り込み軌道が再燃しつつある。量的マネーの供給面では、ドルのダブつき回収を通じたドルの下支え要因となる可能性を秘めている。

出典:FXニュースレター

 

【追記】2017年8月8日

バランスシート縮小でドル円は円安ドル高も

上記のFRBバランスシート縮小と日銀の量的緩和維持でドル円は円安ドル高へ動きましたが、7月11日をピークに下落に転じ、流れは一気に円高ドル安となりました。

ドル円チャート

トランプ大統領のロシアゲート疑惑で円高ドル安へ転換

その後、ドル円為替相場は、7月11日に突然発生したトランプ大統領長男のロシア人弁護士との面会によるトランプ大統領のロシアゲート疑惑  で円高に動き始め一気に下落へと転じました。

世界を見渡すと、ドル下落で新興国通貨ペソ、レアル、ランドなどが急上昇しています。ドル円相場は、全体的にリスク回避の円全面高の動きが強い状況ですので、直近の為替相場としては、ドル安円高の流れが強いでしょう

しかし、ドル安もチャートを見る限り、反転場面のドル高への流れが来ているようです。

ドル円チャート日足 レンジ相場からドル高予想

ドル円の日足チャートを見ると、現在、レンジ相場のWボトム、3番底です。
下値が、4/17の「108.133」からの補助線から右肩上がりに切りあがっており、ちょうど現状の108円近辺ラインが底値として意識されています。

当面は、9月下旬に114円のドル高を目指す展開が予想されます。

 ※【追記】2017年8月31日チャート更新しました

ドル円チャート

 

【追記】2018年6月5日

ドル円チャート日足 レンジ相場から9月上旬に114円予想

下のチャートを見て下さい。
例題として教科書に載りそうなぐらいの見事なレンジ相場!

下値が、

  • 2017年4月17日「108.133」
  • 2017年9月8日の「107.321」

と刻んだと、計3度114円台をつけています。

2018年1月の円高ドル安相場の原因は、

  • アメリカの税制改革
  • ムニューシン米財務長官のドル安容認発言

となっています。

まだ底値は分かりません。もしかしたら、円高ドル安のトレンドがまだ続き、再び106円、105円をつける可能性もありますが、いづれにしてもその後の反動が期待でき、9月上旬には114円を目指すレンジ相場の展開が予想されます。

110円台から円安ドル高へのトレンド転換がみられたら、ドル買いを狙ってみるのが良いかもしれません。

 ※【追記】2018年6月5日チャート更新しました

ドル円チャート

今後は底値からの反転が予想され、目先のレンジ相場から、9月上旬に向かって114円を目指す展開が予想されます。チャートから見てもレンジ相場の中でトレンドがドル高円安に向かうと予想され、今後のドル円は上昇の動きに注目です。

ドル円 為替相場長期予想は円安ドル高

さらに長期の見通しとしては、今後もアメリカのFRBによる利上げが予想され、長期的には日銀による超低金利の堅持姿勢もあり日本と海外の金利差は拡大傾向にあります。

ドル円の為替相場では、
 1)市場変動率(ボラティリティー)安定化
 2)日本でのインフレ期待改善
 3)米国での金融規制の緩和観測
などにより、局地的に日本勢による資金流出や海外勢による
円調達・円借入れのキャリー取引を後押しさせる円安材料 として注目されており、長期的にはさらなる円安ドル高が予想されます。

【まとめ】FRBバランスシート縮小で円安ドル高の為替相場へ

米FRBは早ければ9月にもバランスシート縮小(資産縮小)に着手するが、日銀は16日に量的・質的金融緩和を堅持させたことで日米のマネタリーベース伸び率格差は日本優位の方向が見込まれ、為替相場は今後円安ドル高の流れが予想されます。

これが過度な円高を制御するほか、日本株は「過剰流動性のラストリゾート」として下支え要因となりやすい。量的マネーの供給面では、ドルのダブつき回収を通じたドルの下支え要因となる可能性を秘めており、FRBがバランスシート縮小(資産縮小)に着手することで、為替相場は円安ドル高の方向性が見込まれます。

 

【追記】2017年11月18日

バランスシート縮小で今後どうなる?

FRBは先月、長期国債の償還資金の再投資縮小に着手した。国債の供給が増える時期に、FRBのバランスシート縮小による需要後退が重ねれば、長期債利回りをさらに押し上げる公算が大きい。

米国の新たな債務管理戦略、長期金利上昇抑制へ

 米財務省は連邦政府の債務を管理する新たな戦略を打ち出した。これにより、長期金利の上昇を抑制し、経済への足かせを軽減することが期待できそうだ。

 今月発表された計画によると、財務省は今後、発行する国債について短期債の割合を増やす一方で、長期債は減らす方針だ。過去数年は長期債の発行を優先していたが、この方針を見直す。

 国債の発行総額は向こう数年、財政赤字の増加に伴い拡大する見通しだ。供給が増えれば国債価格の重しとなり、利回りが上昇する。米国債の利回りが上昇すれば、住宅ローンや社債などを通じて、企業や家計の借り入れコストを押し上げる。

 財務省が今回打ち出した新たな戦略は、この利回り上昇圧力の一部を長期債から短期債へとシフトするものだ。

 長期債利回りにとっては、米連邦準備制度理事会(FRB)による買い入れ縮小も上昇圧力となっており、新たなアプローチはそうした逆風も和らげる見込みだ。FRBは先月、長期国債の償還資金の再投資縮小に着手した。国債の供給が増える時期に、FRBのバランスシート縮小による需要後退が重ねれば、長期債利回りをさらに押し上げる公算が大きい。

 スティーブン・ムニューシン財務長官はこれまで、償還期間が50年、100年といった超長期債の発行に意欲を見せていたが、方針を転換したもようだ。超長期債が導入されれば、長期債の供給が増え、利回りにさらなる上昇圧力がかかる。

 昨年のドナルド・トランプ氏の大統領当選後、ムニューシン氏は超長期債の導入も含め、国債の償還期間の長期化を検討すべきと発言し、長期債の利回り上昇を招いた経緯がある。

 ただ、大手金融機関の代表で構成する財務省の委員会も含めた米金融市場の投資家から、超長期債に対して強い、または持続可能な需要は見られないとの意見が財務省に寄せられ、ムニューシン氏は計画を棚上げしたとみられる。現在、最も償還期間の長い国債は30年だ。

 FTNファイナンシャルの金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は「ムニューシン氏はかなり多くの人に超長期債の導入構想を支持するよう迫ったようだ」とした上で、「誰も門前払いはしなかったが、かなり不評だった」と述べる。

 全体の国債発行に占める長期債の割合は歴史的に高水準にあったが、今回の財務省の計画によりこうした流れは終わりそうだ。米国債の加重平均償還期間は、2008年に直近の低水準である49カ月をつけた後、過去1年は70カ月以上と、数十年ぶりの高水準に達していた。

 財政赤字の拡大に伴い、米国債の供給は増えている。米議会が年内、または来年、減税法案を可決すれば、米財務省の借り入れは一層膨らむ見通しだ。

 またFRBは10-12月期(第4四半期)に、毎月60億ドルの償還資金の再投資を見送る。この再投資の縮小額は、四半期ごとに60億ドルずつ増え、最終的には来年末までに300億ドルに達する予定だ。

 米財務省は2010年代に入り、新規国債の供給減少に伴い、短期債の発行を減らしていた。景気回復に伴い、財政赤字が縮小したためだ。市場性証券全体に占める期間1年未満の米債券の割合は、10年代はおおむね2000年以来の低水準で推移している。

 財務省のモニーク・ローリンズ次官補代理(金融市場担当)は今月1日のブリーフィングで、過去数年は長期債の割合が増えたが、平均償還期間を引き続き長期化する利点は「われわれが得るメリットという観点から、薄れ始めている」とし、「この辺で安定化させることを考えている」と述べた。

 FTNのボーゲル氏は、短期債の発行割合を増やすとの決定は理にかなうとしたうえで、「財務省は何年もかけて、債券管理計画の柔軟性を高めてきた。まさにこれを利用し始めることが必要な時期に来たと言える」との見方を示した。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

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