米FRB「資産縮小計画」テーパリングで短期金利を引き上げへ

FRB資産縮小計画

FRBはバランスシート縮小(資産縮小テーパリング)計画を明確にし短期金利を引き上げようとしている。過去に量的緩和(QE)策として大量の債券を買い入れ長期金利を押し下げた。今回はこの逆の計画である。

FRBのバランスシート縮小(資産縮小テーパリング)計画について詳しく解説します。

FRB バランスシート圧縮(資産縮小テーパリング)で短期金利を引き上げへ

FRBは間もなく、バランスシート縮小(資産縮小テーパリング)計画を明確にして市場を落ち着かせようとするだろう。しかし、過去の失敗である2013年5月の「テーパリングかんしゃく」の再来を回避することで頭がいっぱいのようだ。

06月08日 08時53分 DJ-【寄稿】FRBがこだわる「資産縮小計画」の中身

――筆者のデービッド・ウェッセル氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の元コラムニストで、ブルッキングス研究所ハッチンス財政金融政策センターの所長。
 
 中央銀行関係者は常に心配事を抱えている。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)幹部らは2013年5月の「テーパリングかんしゃく」の再来を回避することで頭がいっぱいだ。「テーバリングかんしゃく」とは、当時のベン・バーナンキFRB議長がテーパリング(債券買い入れの段階的縮小)を示唆したことを受け、一時的に債券市場が大混乱に陥った現象のことだ。
 
 FRB幹部は会合や講演のたびに、4兆5000億ドル(約490兆円)に上るFRBのバランスシートの受動的な縮小を年内に開始する考えを示しており、恐らくジャネット・イエレンFRB議長の来週の記者会見でも改めてこの方針が強調されるだろう。FRBが考えているのは、満期が到来した国債や住宅ローン担保証券(MBS)の償還金について、事前に公表した額だけ再投資をやめることだ。最初の月に50億ドル減らした後、削減額を徐々に増やし、最終的に月間300億ドルペースの減額を目指すとみられる。
 
 目標は、市場が過剰反応する可能性を減らすことと、バランスシートの圧縮はFRBが当初計画よりも速いペースで信用を引き締める構えであることを示すシグナルだという間違った受け止め方をされないようにすることだ。サンフランシスコ地区連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は最近、「従来型金融政策の正常化に使ってきたのと同じような手法、すなわち事前に周知させた段階的だがはっきり言って退屈なやり方」を採用することを約束した。フィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁もこれに同調し、「退屈なやり方になることは私も保証する。これはペンキが乾くのを待つのに等しい政策となろう」と述べた。
 
 ウィリアムズ総裁は期待を込めて、「人々の理解が深ければ深いほど、市場が混乱したり相場が大きく変動したりするリスクは減る」とも指摘した。
 
 バランスシートの縮小がFRBの期待通り順調に進む可能性はある。結局のところ、13年にFRBが実際にテーパリングを開始したときには、市場はほとんど動かなかった。そして最近では、FRBが近く再投資をやめる考えを明らかにしたにもかかわらず、長期金利はあまり反応していない。だが、過去を振り返ると、FRBは事前に十分伝えておいたつもりだったのに市場が予想外の反応をしたということも一度や二度ではない。
 
 間違えないよう念を押しておくが、量的緩和(QE)策としてあれほど大量の債券を買い入れることで長期金利を押し下げたとすると、バランスシートを縮小すれば(たとえ満期を迎えた保有債券の償還金の再投資をやめるだけだとしても)反対の効果が生じることが予想される。つまり、バランスシートの圧縮は経済に対し、短期金利を引き上げるのと同じ効果をもたらすということだ。
 
 ではどれくらいの効果があるのか。推計はあるものの、本当のところFRBにも分からない。FRBはこのようなことを一度もやったことがない。効果の度合いは、現在続けられている「ストック効果」か「フロー効果」かという議論がどう決着するかによっても変わってくる。つまり、債券買い入れによって金利が下げるのは、FRBが保有している債券の残高(ストック)の効果によるものなのか、それとも売り買い(フロー)の効果が作用しているのか、という議論だ。恐らく両方だろう。ストック効果とフロー効果のどちらが大きいかについては、意見が分かれている。
 
 市場関係者は、QE第1~3弾での3兆6000億ドルに上る債券の買い入れによって長期金利は約100ベーシスポイント(bp)低下したという見方でほぼ一致している。コーナーストーンのロベルト・ペルリ氏はFRBがまだ公表していないバランスシート計画の詳細を予想した上で、この100bpが正しいとの前提に立てば、FRBが保有債券を削減しても長期金利は年間10bpほどしか上昇しないはずだと推計している。
 
 バランスシート縮小計画を明確にして市場を落ち着かせようというFRBの努力が実を結ぶかどうかは間もなく分かるだろう。

出典:Dow Jones

 

【まとめ】米FRB「資産縮小計画(テーパリング)」で短期金利を引き上げへ

FRBはバランスシート縮小(資産縮小テーパリング)計画を明確にして短期金利を引き上げようとしているそうだ。

しかし、過去を振り返ると、FRBが事前にテーパリングの内容を十分伝えておいたつもりだったのに市場が予想外の反応をしたということも一度や二度ではないらしい。

冷静に考えれば、過去に量的緩和(QE)策として大量の債券を買い入れることで長期金利を押し下げたのだから、バランスシートを縮小すれば(たとえ満期を迎えた保有債券の償還金の再投資をやめるだけだとしても)反対の効果が生じることが予想される。つまり、今後のバランスシートの圧縮(テーパリング)は短期金利を引き上げるのと同じ効果をもたらすはずである。

それは私でも理解できる。

しかし繰り返しになるが、FRBが事前にテーパリングに関する十分な説明をしていても、市場は想定外の反応をすることがあるようだ。それだけに経済というのは難しいのだろう。FRBのような天才が集まる集団でも市場経済は想定通りにいかないのだから、本当に市場経済というのは面白いものだと、つくづく思ってしまった。

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