EUは移民・経済問題が原因で2017年はユーロ安、ポンド安へ

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ユーロ圏で最大の問題は、ブレグジット(英国のEU離脱)であるが、この問題の根本は移民問題である。

さらに、ドイツ議会選挙では右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に支持が集まりサプライズとなり、ユーロ相場は大混乱。スペインでは、カタルーニャ自治州の独立宣言問題でユーロ相場は下落となった。



EU圏では移民・経済問題が原因で2017年はユーロ安、ポンド安へ

ユーロ圏で最大の問題はであるブレグジットの主なきっかけとなったのは、欧州の経済危機によって発生した100万人を超える難民が流入したことへの反動だった。

国内賃金を引き下げる外国人労働者をめぐって同じような不安を感じたフランス、オランダ、ドイツなど他の欧州北部の国では、ポピュリスト政党に支持が集まった。

経済の成否をめぐるこうした緊張関係は国家間だけの問題ではなく、国内にも存在する。
スペインでカタルーニャ自治州の独立運動が勢いを増している理由の少なくとも一部は、経済的にあまりうまくいっていない国内の他の地域に資金を回さなければいけないことに住民が不満を抱えていることにある。

同様に、先月のドイツ議会選挙で右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に支持が集まったのは、豊かな同国西部と生活水準の差が開き続けたことに東部で不満が募ったことが理由の一つだ。

EUの単一市場内でこうした問題を解決するのは非常に難しく今後もEUの政治は混乱が続くことが予想され、ユーロ相場は下落基調が予想されます。

EUに負けず劣らず混乱しているイギリスも経済的混乱が続くと予想され、ポンドも下落基調が続く見通しです。

10月05日 14時49分 DJ-【コラム】新自由主義がEUにもたらしたジレンマ

 欧州連合(EU)は新自由主義的な試みだと言う人々は、もちろん大筋では正しい。資本と人の自由な移動を認める単一市場では、投資と労働力を呼び込むために、国と国、地方と地方、町と町が競い合うものだ。競争の見返りは、最も優れた事業環境と質の高いインフラを備え、必要なスキルを提供できる地域に流れ込む。条件をそろえられなかった地域は停滞か衰退に直面する。

 世界的な金融危機が起きるまで、資本と人の自由な移動を保障するEUの政策には勝者しかいないように見えた。豊富な資本を持つ北欧と西欧の国々は、人の移動のおかげで拡大する労働市場の穴を埋めることができた。経済も成長し、生活水準も向上した。また、企業が製造の外部委託に目を向けると、多くの低賃金労働者を抱える東欧の国々は資本の自由移動の恩恵を受けた。一方、人にとっても企業の資本にとっても魅力に乏しい南欧諸国は少なくとも、好調な金融市場を利用して大規模な財政支出ができた。その結果、EU全域で生活水準が上昇し、地域差は縮小した。

 しかし2008年以降、資本と労働力をめぐるこうした競争の影の部分が明らかになった。資本の移動に頼った経済モデルを採用する国の多く――企業の投資向けにせよ、財政支出に充てるにせよ――は資金の流入が突然停止するという事態に直面し、不況に陥った。そしてこれらの国の市民の多くは人の自由移動を利用して、単一市場内の他の地域に職を求めた。

 逆に、資本の安全な避難先と見なされている国――特に英国とドイツ、この2つより劣るもののフランスも――では移民の流入が急増した。官庁業務や福祉制度が圧迫され、未熟練労働者の賃金を押し下げた一因になった可能性もある。

 こうした負担が今、EU各地で政治を動かしている。その最たる例は言うまでもなくブレグジット(英国のEU離脱)である。

 ブレグジットの主なきっかけとなったのは、欧州の経済危機によって発生した100万人を超える難民が流入したことへの反動だった。国内賃金を引き下げる外国人労働者をめぐって同じような不安を感じたフランス、オランダ、ドイツなど他の欧州北部の国では、ポピュリスト政党に支持が集まった。こうした不安は、一部の東欧諸国で極右の国家主義的政策への支持を煽ることにもなった。これらの国で主に非難されているのは外国人労働者よりむしろ外国資本である。例えば、ポーランドとハンガリーの政府は、銀行やメディアを含む戦略分野での外資規制に動いている。

 ポピュリストの反動に屈していない国にとっても、単一市場で成功するのは並大抵のことではない。例えばラトビアでは、二度の人口流出の波でこれまでに人口の15%以上が国を離れた。一度目は2004年に同国がEUに加盟したあとで、二度目は2008年の深刻な金融危機の後だった。ラトビア経済は今、EU経済の拡大による好調な需要のおかげもあって再び拡大している。しかし同国の政策担当者は、次の危機の種がまかれているのではないかと懸念する。

 ラトビアでは失業率が9%であるにもかかわらず、企業によると熟練動労者がますます不足し、賃金上昇圧力が高まっている。その結果、同国の競争力が削がれる恐れがあり、ラトビアが投資を呼び込んで生産性を高め、人口一人当たりのGDPを引き上げるのはさらに難しくなった。西欧の生活水準との差を今以上のスピードで埋めなければ、さらに多くの国民が国を離れたくなるかもしれない。

 経済の成否をめぐるこうした緊張関係は国家間だけの問題ではなく、国内にも存在する。スペインでカタルーニャ自治州の独立運動が勢いを増している理由の少なくとも一部は、経済的にあまりうまくいっていない国内の他の地域に資金を回さなければいけないことに住民が不満を抱えていることにある。

 同様に、先月のドイツ議会選挙で右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に支持が集まったのは、豊かな同国西部と生活水準の差が開き続けたことに東部で不満が募ったことが理由の一つだ。単一市場の論理は、EU各地で地方や地域の自治拡大を求める声を後押ししている。人と資本をめぐる競争での勝利に必要なレバーを市民が今以上に自由に操作することができるようにするためだ。

 経済的な観点から言えば、成功のカギは明白だ。ラトビア政府が最近実施した税制の全面的な見直しは正しい。モデルになったのは隣国リトアニアで、リトアニアは企業の利益のうち、分配された利益だけに課税することで企業の投資を促進することに成功した。ラトビアはさらに、教育制度と医療制度の見直しで労働力を拡大したい考えだ。同様の「新自由主義的な」政策を採用したアイルランドは過去30年で移民を送り出す国からEUで最も豊かな国の一つになった。フランスのエマニュエル・マクロン大統領が同じような考えから、雇用の維持よりむしろ個人の技能への投資を優先している。

 しかし政治的には、こうした政策の実施は容易ではない。成果が目に見えるようになるまでには時間がかかる一方、負担は特定の集団に降りかかる。それゆえ、最終的に生活水準が低下する可能性が高いとしても、資本と人の自由な移動を阻む障壁を築いて競争を不正操作したくなるものだ。

 EUの単一市場内でこうした障壁をつくるのは非常に難しい。それは、EUの政治は混乱が続くかもしれないということだ。しかしEUの外では何でもできる。EUに負けず劣らず混乱している英国は今後、大きな経済的犠牲を払ってそのことに気づくのかもしれない。

出典:Dow Jones

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