ユーロ安の原因は何?2018年突然ユーロ安となった3つの理由とは?

ユーロ安原因

ユーロ為替相場は3つの理由から、突然のユーロ安を続けてきました。

なぜユーロ安が続くのか?いったいいつまで?ユーロ安の原因について詳しく解説します。



■ユーロ安の原因は何?2018年突然ユーロ安となった3つの理由とは?

ユーロ為替相場は2018年になり、10カ月ぶり安値となる1.15ドル台前半を付けました。

この突然のユーロ安の背景には、3つの理由があります。

その3つの理由とは?

  • ドラギECB総裁の経済成長失速懸念発言
  • イタリアがECBに債務免除要請報道
  • イタリア政権問題

です。

それでは、原因を1つずつ解説します。

■ユーロ安の【原因1】ドラギECB総裁の経済成長失速懸念発言でユーロ安へ

ドラギECB総裁が4月26日の会見の中で、経済成長の失速を懸念する発言を行い、これがユーロ安の原因になりました。

市場は、ドラギECB総裁の会見での

  • 「保護主義の高まりなど、世界的な要因に関するリスクが一段と顕著になっている」

との発言をハト派と判断しました。

ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.22ドル台から、1ユーロ=1.21ドル台へ急反落するユーロ安ドル高の展開となりました。

この日をきっかけに、その後もドル高相場の影響もあり、じわりじわりとユーロ安トレンドとなります。

ドラギECB総裁、インフレ目標達成に自信 理事会後会見

【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は26日、ユーロ圏経済が堅調な成長を維持するとの見解を示した。景気が鈍化する兆しがある中でもECB当局者が緩和的な政策を見直してはいないことを示す形となった。

 ユーロ圏経済は2017年に10年ぶりの高成長を遂げたことから、アナリストらはECBが6月または7月に、資産買い入れ策の段階的な縮小計画を決めると予想している。

 ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「現在の情報が成長の減速を示唆している一方で、堅実で幅広い景気拡大とも一致した動きが続いている」と指摘。さらに、「経済の基本的な力強さは、インフレ率がわれわれの目標に近づくとの自信を引き続き支えている」と述べた。

 ECB理事会は26日、大規模な債券買い入れ策の据え置きを決めた。月額300億ユーロ(約4兆円)のユーロ圏の債券買い入れは従来通り少なくとも9月末まで実施する方針を示すとともに、主要政策金利の預金金利はマイナス0.4%に据え置いた。

 ECBの政策据え置きは市場の予想通りとだったが、ECB関係者は為替相場の不安定な動きや原油相場の上昇、貿易摩擦が激化する恐れなど、世界経済のさまざまなリスクを見極めようとしている。

 ドラギ総裁は「保護主義の高まりなど、世界的な要因に関するリスクが一段と顕著になっている」と述べた。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

ドラギECB総裁会見、5つのポイント

 欧州中央銀行(ECB)は26日の理事会で予想通り金融政策を据え置いた。市場参加者は金融当局の次の動きを探ろうと、1-3月期にユーロ圏経済の成長ペースが鈍ったことをマリオ・ドラギ総裁がどう分析するかに注目していた。

 総括すると、ドラギ総裁は経済成長が思いがけず失速したことにECBはパニックを起こしていないと示唆した。一方で、一時的な伸び鈍化にとどまらない可能性も排除しなかった。

 ドラギ総裁の記者会見のポイントを以下に挙げる。今回の理事会は、長年ドラギ氏を支えたビトル・コンスタンシオECB副総裁の出席する最後の会合だった。

 1. 景気鈍化

 ドラギ総裁はまず、ユーロ圏経済が依然として「底堅く幅広い拡大」の途上にあるとのECBの見方を強調した。ただ、幾らかの疑念も示した上で、中銀当局者が状況を完全に把握するには時間が必要だと結論づけた。景気の伸び悩みが長引く可能性があることを認めた。

 2. 政策見通し

 ドラギ総裁は記者団に対し、ECB理事会は景気鈍化の要因が完全に解明されない状況で債券購入プログラムの将来さえまだ協議しておらず、もちろんプログラムの行方を巡る確かな結論にも達していないと語った。

 3. 通商リスク

 ECBは経済見通しへのリスクが「おおむね均衡している」とする姿勢を堅持した。ただドラギ総裁は、貿易戦争になった場合に見込まれる影響への警戒感が「一段と顕著」になったと指摘。すでに企業景況感に幾らかの打撃があったと続けた。しかし、米国が実際に関税率を引き上げ、他国が制裁措置に踏み切るかや制裁方法が決まるまで、それ以上に言えることはほとんどないとした。

 4. ユーロ

 ドラギ総裁は、金融当局者はユーロ相場を「観察する」としたほかは、ユーロにはほとんど触れなかった。ユーロ高は、ユーロ圏の輸出を鈍らせて1-3月期の景気に影響を及ぼした可能性がある。ただ、ドラギ総裁はこの点を心配していないようだった。

 5. 米国債利回り

 米国債10年物の利回りが3%台に乗ったことでユーロ圏企業の資金調達コストは膨らみそうだが、ECBはこれを問題視していないようだ。ドラギ総裁は、この動きは「自然」なもので、米国における景気拡大の持続性と政府債務の拡大の双方を反映したものだと話した。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

■ユーロ安の【原因2】イタリアがECBに債務免除要請報道でユーロ安へ

ドラギECB総裁の「経済成長失速懸念発言」のあと、ゆるやかに下落が続いてきたユーロ相場ですが、

5月16日の欧州市場で、イタリアで連立協議を進めるポピュリズム政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が、欧州中央銀行(ECB)に対し、

  • イタリアの債務2500億ユーロの免除を要請する方針

との報道があり、ユーロドル相場は急落。大幅なユーロ安になりました。

イタリア国債利回り上昇、連立協議2党がECBに債務免除要請と報道=ロイター 

ロイター通信によると、16日の欧州市場で、イタリアの債券利回りが上昇、ドイツ連邦債との利回り格差が拡大している。イタリアで連立協議を進めるポピュリズム政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が、欧州中央銀行(ECB)に対し、イタリアの債務2500億ユーロの免除を要請する方針との報道が背景。

イタリア10年債の利回りは2.003%と2カ月ぶり高水準を付けた。ドイツ連邦債との利回り格差は15日終盤の129ベーシスポイント(bp)から一時139bpに拡大した。

ハフィントン・ポスト・イタリアが入手した14日付の文書によると、両党はイタリアの欧州連合(EU)予算分担金の見直し、対ロシア制裁の解除、年金支給開始年齢を引き上げた2011年の年金改革の廃止も提案している。

出典:FXニュースレター

■ユーロ安の【原因3】イタリア政権問題で2017年11月以来の安値更新

その後、イタリアでは、ポピュリズム政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」による連立協議が進む中、ついに、イタリアのマッタレッラ大統領が5月23日、ジュセッペ・コンテ氏(53)を新首相に指名し、イタリアに連立政権が誕生しました。

しかし、5月27日に発表した閣僚案で、ユーロ圏離脱を主張する「パオロ・サボナ」元産業相を経済相に起用する人事を大統領に拒否され、組閣を断念。

このニュースに反応し、ユーロは急落。

この時、市場は、

  • イタリア議会の解散
  • ユーロ圏離脱を国民に問う国民投票の実施

を予想する不安感から、ユーロが急落し、一気に1ユーロ=1.5ドル台まで大幅下落しました。

しかし、その後に状況が一転し、5月31日遅くに「5つ星運動」と「同盟」による連立政権が誕生となり、政局不安に襲われユーロ安を招いたイタリア政局の問題は収まりました

ユーロ/ドルは一段安、昨年11月7日安値水準へ=29日欧州外為

イタリアの株価と国債価格が下げ止まらず、ユーロ売り圧力が持続する中、ユーロ/ドルは昨年11月7日安値1.1555ドル水準に一段安となっている。なお、ユーロ/円は125円台半ば、ユーロ/スイスも1.14フラン台後半へユーロが大幅続落となっている。

出典:FXニュースレター

ユーロ、下値支持は1.1500-1.1550ドル=CBA

欧州に関してはイタリアの政局が中心的材料となる中、ユーロは、対ドル相場の下値支持水準を見直すべき時期を迎えている。

 CBAは、次の大きな下値支持を1ユーロ=1.1500ドル~1.1550ドルとみている。ユーロ圏の経常黒字が域内総生産(GDP)比3.5%と大規模な水準にあることから、ユーロが対ドルで上昇トレンドを再開してユーロ圏への資金流入が続き、最終的にはこれが欧州中央銀行(ECB)の利上げにつながると予想している。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

ユーロ安はいつまで続く?週足チャートから分析

このように、3つの原因でユーロ安となりました。

下のユーロドルの週足チャートを見て下さい。

ユーロ週足

今後のユーロドルの相場変動のトレンドとしては、上手の「水色」の斜めに引いた補助線に注目して下さい。

かなりざっくりとした大局的な予想になりますが、1.28ドル辺りを天井にして、大きなレンジ相場を形成する展開が予想できます。長期的には下落相場トレンドとなり、2018年に限って言えば、1.15ドル辺りへの半値戻し程度は手堅い線かな?と予想します。

上記のチャートを見ると、

  • 2008年は1.60ドルから1.25ドルへ「0.35ドル」の下落
  • 2010年は1.50ドルから1.20ドルへ「0.30ドル」の下落
  • 2012年は1.35ドルから1.20ドルへ「0.15ドル」の下落
  • 2014年は1.40ドルから1.05ドルへ「0.35ドル」の下落
  • 2016年は1.15ドルから1.03ドルへ「0.12ドル」の下落

というように、西暦の末尾1桁が偶数の年は大きな下落相場が展開されています。

逆に、西暦の末尾1桁が奇数の年では急上昇相場が起きています。

  • 2009年は1.25ドルから1.50ドルへ「0.25ドル」の上昇
  • 2011年は1.30ドルから1.50ドルへ「0.2ドル」の上昇
  • 2013年は1.30ドルから1.40ドルへ「0.1ドル」の上昇
  • 2015年は1.05ドルから1.15ドルへ「0.1ドル」の上昇
  • 2017年は1.03ドルから1.20ドルへ「0.17ドル」の上昇

このように、ユーロドルの値動きは非常に激しく、大きな変動が起きています。
 → 2018年は2年に一度のユーロ相場の大暴落が起こる?

ユーロドル売りを強くおすすめする2つの理由

最近のユーロドル相場は、先程の3つの原因によりユーロ安となっている状態です。

今後のユーロドル相場ですが、私はユーロドルの売りを強くおすすめします。その理由として、

  • 今後の見通しとして長期的な下落相場が期待できる
  • スワップが高くて魅力的

という2つの理由があります。

今後もユーロ安ドル高になる理由は?

今後もユーロ安ドル高になるのではないか?と予想する理由は、

  • ユーロ圏の利上げは2019年の秋まで据え置かれる見込み
  • 昨年2017年のユーロ相場はファンダメンタルズ以上の過剰なユーロ高

という印象があり、2018年にはその過剰なユーロ高の調整局面となり、ユーロ安になるのでは?というのが予想理由です。

実態よりも、上がりすぎの感があるユーロ。
2018年のユーロ予想は、やはり長期的なユーロ安ドル高です。

では、次にチャートを見ながら、いくらぐらいまでユーロ安ドル高が進むのか理由とともに説明します。まずは、ユーロドルの値動きから見ていきましょう。

下のユーロドルの日足チャートを見て下さい。

ユーロ日足

現時点では天井がいくらぐらいになるか予想が難しいですが、先程、週足チャートを使って予想したように、1.25ドル台を天井にして下落相場となる予想です。

2019年1月頃には1.100ドルへ向かうのではないかと予想します。

【まとめ】ユーロ安の原因は何?2018年突然ユーロ安となった3つの理由とは?

ユーロ為替相場は2018年になり、3つの理由から、突然のユーロ安を続けてきました。

その3つの理由とは?

  • ドラギECB総裁の経済成長失速懸念発言
  • イタリアがECBに債務免除要請報道
  • イタリア政権問題

です。

ユーロは、ドルに対して下値を広げ、10カ月ぶり安値となる1.15ドル台前半を付けました。

今後は、1ユーロ=1.10ドル割れの可能性も噂されています。今後のユーロ安がいつまで続くのか?今後のユーロドルの見通しに注目が集まっています。

ユーロ関連記事

 → 「ユーロドル、ユーロ円」関連記事まとめ(今後のユーロ見通しと為替予想)

「ユーロドル、ユーロ円」関連記事まとめ(今後のユーロ見通しと為替予想)

 → 来週のユーロドル予想

 → ユーロ高の原因は何?謎のユーロ高の2つの理由を解説します

 → 2017年ジャクソンホール会議の注目はECBドラギ総裁発言

 → ユーロ高なぜ?経済指標やECB発言無しで謎の上昇いつまで続く

 → ECBドラギ総裁 量的緩和段階的縮小(テーパリング)へ

 → ドラギECB総裁タカ派発言でユーロ円は1年ぶり高値更新

【ドル円相場予想】関連記事

 → ドル円の中長期見通しと投資運用戦略プラン

【豪ドル円相場予想】関連記事

 → 豪ドル円、豪ドル米ドル相場の長期見通し-日足チャートで解説

 → 豪ドル円の中長期見通しと投資運用戦略プラン

【ポンド相場予想】関連記事

 → ポンドドル中長期見通し ポンドドルをおすすめする2つの理由

【ユーロ相場予想】関連記事

 → ユーロドルの中長期見通し ユーロドルがおすすめの2つの理由

 

 

スポンサーリンク

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*