トランプのアメリカ移民政策で今後のアメリカ経済への影響は?

アメリカ移民政策

トランプ大統領のアメリカ移民政策で、今後のアメリカ経済への影響はどうなるのでしょうか?注目が集まっています。



アメリカ移民政策で今後のアメリカ経済への影響は?

トランプ大統領は、自身が経済的な理由から連鎖移民に反対している訳ではないことを示唆している。

トランプ政権が今週発表したリポートは、2001年9月11日の世界貿易センタービル攻撃から2016年の間に米国で有罪判決を受けたテロリストの73%が外国生まれで、多くは家族移民だったとしている。

使われた手法は脅威を際立たせるために編み出されたように見える。対象は国際テロであり、白人至上主義者によるテロなどは除外しているからだ。有罪判決の多くはテロの計画や支援に対するもので、殺害や傷害ではなかった。

ケイトー研究所のアレックス・ナウラステ氏によると、合法移民として入国したテロリストによって02年初め以降に米国内で殺害された人は34人だ。ありふれた殺人の犠牲になる可能性はその1641倍の計算になる。

そうした怪しい根拠で外国出身者がひとくくりに非難される時、経済・社会政策面の実際的な要素からの議論は絶たれ、妥当な合意はさらに遠のく。

「連鎖移民」巡る議論、かき乱すトランプ政権

 米国に移民する外国人はより良い生活を目指す機会を得るだけではない。米国での将来設計を親族と共有するための切符も手にすることになる。

 家族呼び寄せ制度とはそういうものだ。1960年代以降、米国への移民の大半はこの方法で入国した。移民制度に対する不満増大の一因となっている。

 家族移民の入国が続くことへの批判から「連鎖移民」とも呼ばれる移民によって、地域に溶け込むのに最も適した若い技能労働者の移民の割合が減る。主にこうした理由から、多くの改革主義者がオーストラリアとカナダをうらやんでいる。両国が受け入れる移民(人口1人当たり)は米国の2倍以上だが、家族移民に充てられる割合は米国より低い。

 最近、家族移民制度への反対論に変調があった。テロや犯罪を招く経路であるかのような説明を、ドナルド・トランプ大統領をはじめとする移民制限派がしているのだ。根拠薄弱な言いがかりは1世紀前の外国人排斥を連想させる。

 1924年、米議会は南欧・東欧からの移民流入を止めるべく出身国別の受け入れ割り当てを決めた。移民排斥主義者はそうした移民について、人種的に劣り、国内出身の労働者を脅かす上、共産党シンパだらけだと考えていたのだ。議会は新参者への扉を実質的に閉ざすことで、西欧・北欧出身者が民族的な多数派にとどまることを狙った。

 60年代には、出身国に基づく制度は恥ずべき存在になっていた。公民権の理念を移民に拡大するとの決意から、1964年に当時のリンドン・ジョンソン大統領はこう宣言した――「あらゆる土地からの移民が建てた国が、現在の入国希望者に『わが国のためになにができるか』と聞くのはかまわない。しかし、『どの国で生まれたのか』と聞くべきではない」

 65年に成立した移民法で、基準は出身国から技能や家族関係に変わった。家族の定義は広がり、配偶者や小さい子供だけでなく、成人した子供やきょうだいや親も対象になった。

 それは実際には移民排斥主義者への譲歩だった。当時は外国出身者の大半を欧州出身者が占めており、彼らが身元を保証する家族移民が大半になると考えられていたのだ。だが欧州出身の移民の大半は高齢だったため、身元保証を受ける家族は多くなかった。プリンストン大学の人口統計学者マータ・ティエンダ氏の文書によると、この条項の影響が最初に感じられたのは、アジア系労働者が就労ビザで入国し、それから親の保証人になった時だ。このパターンは後に中南米の労働者によって繰り返された。86年に合法的地位を与えられた不法移民もその一部だ。

 ティエンダ氏は、親の身元保証がそうした移民の平均年齢を押し上げる傾向を発見した。経済協力開発機構(OECD)のリポートによると、家族移民は平均的に教育水準や英語の能力が比較的低かった。就労移民に比べると雇われる割合も低かったが、雇用は時間がたつにつれて増えた。

 米国は長らく、迫害や戦争の犠牲者に避難場所を提供し、離散した家族に再開の場を与えるなど、非経済的な理由で移民を受け入れてきた。この政策の背景には単純な考えもある。移民は、移住の理由はどうあれ、自らの生活をよくしようと心に決めており、そうした決意が国を強くする、との考えだ。

 法的には、技能移民や難民の代わりに家族移民が入国することはなく、それぞれに上限が設けられている。07年以降、家族移民の入国は年間80万人前後、就労移民は15万人前後で推移している。だが政治的には、家族移民が技能移民に取って代わっている。どの国でも許容できる移民の数には限りがあり、それが家族移民で埋まってしまえば、難民や技能労働者を受け入れる意欲は減退する。

 譲歩できる要素はここにある。移民排斥主義者が訴えるように家族移民の基準を厳しくする一方、移民推進派が求めてきたように技能移民の数を拡大するのだ。移民全体としては100万人前後で変わらないかもしれないが、米国生まれの労働者の高齢化が進んでいるため、大幅な流入増になっても容易に釈明できる。拡大家族はそれでも来るかもしれないが、基準はより厳しい。

 人数制限以外にも、オーストラリアでは高齢の親の身元引受人から多額の手数料を徴収し、社会福祉サービスの費用に充てている。ポイント制を導入しているカナダの場合、既に親族のいる移民希望者には点数が加算される。

 だが多くの制限派が連鎖移民を終わらせ、全体としての移民数を横ばいや拡大ではなく減少させたいと思っている。主にこうした理由から、彼らは子供の頃に入国した不法移民、いわゆる「ドリーマー」と呼ばれる69万人の合法滞在を認める案に反対している。ドリーマーの大半には配偶者以外の家族の身元保証をする意向や資格がないにもかかわらず、である。

 トランプ氏は既に、自身が経済的な理由から連鎖移民に反対している訳ではないことを示唆している。トランプ政権が今週発表したリポートは、2001年9月11日の世界貿易センタービル攻撃から2016年の間に米国で有罪判決を受けたテロリストの73%が外国生まれで、多くは家族移民だったとしている。

 使われた手法は脅威を際立たせるために編み出されたように見える。対象は国際テロであり、白人至上主義者によるテロなどは除外しているからだ。有罪判決の多くはテロの計画や支援に対するもので、殺害や傷害ではなかった。

 ケイトー研究所のアレックス・ナウラステ氏によると、合法移民として入国したテロリストによって02年初め以降に米国内で殺害された人は34人だ。ありふれた殺人の犠牲になる可能性はその1641倍の計算になる。

 そうした怪しい根拠で外国出身者がひとくくりに非難される時、経済・社会政策面の実際的な要素からの議論は絶たれ、妥当な合意はさらに遠のく。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

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