アメリカの景気動向と今後の見通し 景気拡大局面100カ月へ

アメリカ景気

現在のアメリカ景気拡大局面は100カ月に近づいています。

しかし、アメリカ景気拡大の最長寿記録である1991年から2001年にかけての120カ月を抜くには、2019年7月を越えて景気拡大が続く必要があり非常に高いハードルです。



アメリカ景気拡大局面が100カ月目前 今後の景気動向と見通し

現在のアメリカ景気拡大局面は100歳の誕生日(100カ月)に近づいており、多くの識者が余命いくばくもないと考えている。全米経済研究所(NBER)によると、2009年6月に始まった今のアメリカ景気拡大よりも長く続いたのは、記録の残る1854年以降で2回しかない。

1960年代のアメリカ景気拡大は106カ月続いた。今回の景気拡大は、ほぼ間違いなくそれを追い抜くだろう。しかし、景気拡大最長寿記録である1991年から2001年にかけての120カ月を抜くには、2019年7月を越えて景気拡大が続く必要がある。非常に高いハードルだ。

アメリカの株式相場の暴落といった何らかの金融市場の混乱についてはどうだろうか。心配性な人の多くは、2009年から続く長期かつ行き過ぎとされる株価の上昇を懸念している。

アメリカの株価が上昇し過ぎているかどうかの議論にはくみしない。市場の動きを予知することは誰にもできないからだ。ただ、極めてシンプルで重要な事実がある。ひどい株価暴落がなければリセッションは起きないということだ。

08月18日 11時31分 DJ-【寄稿】米経済は今後も「晴れ」予想=ブラインダー氏

――筆者のアラン・S・ブラインダー氏は元FRB副議長。現在はプリンストン大学の教授(経済学と公共政策)であり、ブルッキングズ研究所客員研究員も務める

 あらゆる論説記事は、読者が記憶にとどめておきやすいシンプルな論点を提示すべきだ。筆者の場合はこうだ。「景気拡大は老衰によって終わるのではない。何かによって止められるまで続く」

 現在の景気拡大局面は100歳の誕生日(100カ月)に近づいており、多くの識者が余命いくばくもないと考えている。全米経済研究所(NBER)によると、2009年6月に始まった今の景気拡大よりも長く続いたのは、記録の残る1854年以降で2回しかない。

 1960年代の景気拡大は106カ月続いた。今回の景気拡大は、ほぼ間違いなくそれを追い抜くだろう。しかし、最長寿記録である1991年から2001年にかけての120カ月を抜くには、2019年7月を越えて景気拡大が続く必要がある。非常に高いハードルだ。

 良い知らせは、現在の景気拡大の余命は短くなさそうということだ。各種経済指標は、当面は成長が続くであろうことを示している。しかしながら、これらのシグナルによって完全に安心できるという訳ではない。なぜなら、リセッション(景気後退)を十分に前もって予測することはできないからだ。ただエコノミストは、それがどう始まり、どう終わるかについては十分理解している。その点で言えば、さらに良い知らせがある。深刻なリスクは今のところ見当たらないということだ。

 戦後の米国でリセッションを引き起こした最も一般的な原因は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために行った金融引き締めだ。もしFRB当局者が完璧な仕事をすれば、現在の低金利環境からの「ソフトランディング」は可能だ。1994年から95年にかけてFRBがやったようにだ。しかし、さらに歴史をひもとけば、FRBの引き締めの後にリセッションは起きている。一部には、あえてそれを狙ったケースもあった。1980年代に当時のポール・ボルカーFRB議長がインフレ制圧のために政策金利を急速に引き上げたケースがそれに当たる。他のケースでは単にFRBは失態を演じた。

 FRBは現在の景気拡大局面を終わらせるだろうか。その可能性はなさそうだ。インフレは視界に入っていない。ジャネット・イエレン議長らは、可能な限り緩やかに金利を引き上げることで、好景気を長引かせようとしており、景気減速のサインが現れれば引き返す用意もある。むろんFRBが間違いを犯すこともあるだろう。しかし、大きなミスにならないと筆者は考える。

 過去のリセッションは、原油価格の急騰が企業や消費者に打撃を与えた「オイルショック」でも引き起こされた。1973年と1979年の世界的なリセッションの前にはそれぞれ、アラブ諸国の石油禁輸とイラン革命によるオイルショックがあった。

 現在の景気拡大がオイルショックによって終わることはあるだろうか。その推測はあまり意味がない。オイルショックは予想不可能だからだ。とはいえ、市場も専門家もオイルショックが起きるとは予想していないようだ

 株式相場の暴落といった何らかの金融市場の混乱についてはどうだろうか。心配性な人の多くは、2009年から続く長期かつ行き過ぎとされる株価の上昇を懸念している。筆者は株価が上昇し過ぎているかどうかの議論にはくみしない。市場の動きを予知することは誰にもできないからだ。ただ、極めてシンプルで重要な事実がある。ひどい株価暴落がなければリセッションは起きないということだ。

 2000年から2002年のハイテクバブル崩壊時に経済がどう反応したかを思い出してみよう。当時、S&P500種株価指数は半値に下落し、時価総額約9兆ドルが吹き飛んだ。しかし、それに続く景気後退は8カ月で終わり、その度合いも緩やかだったため、年間の実質国内総生産(GDP)はマイナス成長にはならなかった。

 1929年についてはどうだろう。株価大暴落が大恐慌を引き起こしたのではなかったか? そうとは言い切れない。株の暴落は大恐慌につながった多くの原因の一つであり、決して最重要な要因ではなかった。経済学者ミルトン・フリードマンとアンナ・シュワルツは記念碑的な共著「A Monetary History of the United States」で、大恐慌の責任はむしろ、マネーサプライと信用の激しい収縮を招いたFRBにあると指摘した。ベン・バーナンキ氏はFRBの理事を務めていた2002年、フリードマンの90歳の誕生日パーティーで「あなたは正しい。(中略)あなたのおかげで、われわれは同じ過ちを繰り返すことはない」と述べ、その主張を認めた。

 もし、金融市場発の災厄が現在の景気拡大を腰折れさせるとすれば、大恐慌時とグレート・リセッション(大不況)時にそうだったように、信用市場からもたらされる可能性が高いだろう。幸いなことに、2007年当時と違い、信用市場に怪しい動きはほとんど見られない。当時と比べて家計と企業のレバレッジは低下し、銀行の資本は厚くなっており、金融規制ははるかに強化されている。2008年を経験した人は「絶対ない」とは絶対言わないだろう。しかし、信用のマグマが地下でうなっているにしても、それは極めて静かなものだ。

 他に懸念事項は残っていないだろうか。時折、後になって理由が明らかになることはある。消費者心理や企業の信頼感を揺るがし、支出を急速に冷え込ませるような何かだ。それが起きれば、リセッションはほぼ不可避だ。目下のところ、米国の消費者と企業の景気は晴れだ。しかし、北朝鮮やホワイトハウスを脅かす調査をめぐって暗雲が立ち込めている――。

 冒頭に指摘したように、景気拡大は老衰では終わらない。何かによって止められるまで続くのだ。

出典:Dow Jones(THE WALL STREET JOURNAL)

【まとめ】アメリカ景気動向と今後の見通し 景気拡大局面100カ月へ

現在のアメリカ景気拡大局面は100歳の誕生日(100カ月)に近づいており、多くの識者が余命いくばくもないと考えている。

全米経済研究所(NBER)によると、2009年6月に始まった今のアメリカ景気拡大よりも長く続いたのは、記録の残る1854年以降で2回しかない。

1960年代のアメリカ景気拡大は106カ月続いた。今回の景気拡大は、ほぼ間違いなくそれを追い抜くだろう。
しかし、アメリカ景気拡大
最長寿記録である1991年から2001年にかけての120カ月を抜くには、2019年7月を越えて景気拡大が続く必要がある。非常に高いハードルだ。

アメリカの株式相場の暴落といった何らかの金融市場の混乱についてはどうだろうか。アメリカの株価が上昇し過ぎているかどうかの議論にはくみしない。市場の動きを予知することは誰にもできないからだ。ただ、極めてシンプルで重要な事実がある。ひどい株価暴落がなければリセッションは起きないということだ。

心配性な人の多くは、2009年から続く長期かつ行き過ぎとされる株価の上昇を懸念している。今のアメリカの好景気はバブルではないか?との声も聞かれています。

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